2017 Fiscal Year Research-status Report
中性子デバイリングを利用したエリアディテクタ式中性子残留応力測定機構の開発
Project/Area Number |
16K14145
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 敏彦 金沢大学, 人間科学系, 教授 (40251912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 真吾 金沢大学, 先端科学・イノベーション推進機構, 博士研究員 (10714438)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中性子 / 応力 / デバイリング / 三軸応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中性子デバイリングを二次元検出器で計測し、精密な画像解析によって全周の半径を求めることによってブラッグの法則からひずみを決定し、さらにcosα法を一般化した三軸応力解析理論を適用することで(残留)応力を決定する方法を実現することを目的とする(ここで、α:デバイリングの中心角)。本法の特長は、表面側から中性子を入射することで回折線を測定することにより全三軸応力成分を決定することが可能なため,測定サンプルの幅や奥行きの寸法は任意とすることができ、従来技術では困難な大型試料にも適用できるようになる点である。また、二次元検出したデバイリングの全周から一度に360個以上のひずみが得られ、これから計算される新パラメータa1(デバイリング上の4個のひずみから計算される値)はcosαに対して直線的になり、その傾きから応力が得られるため、d0値(無応力時の格子面間隔)の扱いが大幅に緩和でき、従来技術と比較して実用性が高い応力測定法となる。さらに、円形溝付きスリットを使用することによりゲージ体積の制限が可能にできるようになるため、応力の深さ分布も得られるようになる。以上のような高い実用性を持つ中性子応力測定法を実現することが本研究の狙いである。本研究では、東日本大震災の影響により日本原子力研究開発機構の中性子施設が稼働できなかったため、理論的な検証とX線を用いた実験を中心に進めた。その結果、デバイリングを計測して利用する本手法は、ほぼ当初の期待通り三軸応力状態の残留応力の測定に有効であることを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中性子実験施設が震災の影響で稼働できなかったためX線で代替して検証実験を行った。鋼材サンプルを中心に検証を行い、アルミニウム材についても追加検証し、本手法の有効性を確認できた。鋼材に関しては、三軸応力状態が発生することが知られている鉄道レールの頭頂面や、軸受の軌道面について検証した。これらの成果により、デバイリングを二次元計測して応力測定する本手法が、従来技術に比べて多くの点で優れている見通しを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
デバイリングを計測して応力を測定する手法の有効性はX線を用いて確認できているが、中性子ビームを実際に使用して実証するには至っていないため、今後はまずこの点を確認する必要がある。また、当初は中性子検出器としてイメージングプレートを考えていたが、より効率的な半導体検出器の発展状況も考慮して新たな中性子検出器の利用も視野に入れておくことが必要と考えている。
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Causes of Carryover |
予定したよりも安価に物品を購入できたため。
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Research Products
(19 results)