2016 Fiscal Year Research-status Report
電子励起高密度ラジカル供給による単結晶ダイヤモンドの高効率エピタキシャル成長法
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16K14237
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 英明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 先進パワーエレクトロニクス研究センター, 主任研究員 (90443233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 載浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (30376595)
榊田 創 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 研究グループ長 (90357088)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / プラズマCVD / マイクロ波プラズマ / マイクロストリップライン(MSL)型プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
原理的に合成面積についての制約が比較的少ないマイクロストリップライン(MSL)型プラズマをダイヤモンド合成に適用するため、合成装置を構築した。そのために必要となる、マイクロ波伝播経路及び、ガス導入路の設計を行い、これらに基づいて実際に装置を構築して、長さ50mmの線状ノズルに沿って安定放電を確認した。原料ガス圧を准大気圧から大気圧(1-760torr)まで変化して、安定なプラズマ生成・維持に成功した。一方、従来の体積放電型のマイクロ波プラズマCVDにおける原料ガス温度に比して低温であることも確認した。以上の様にプラズマ源を新規に構築した後、Si基板上への多結晶ダイヤモンド合成を試みたところ、粒状の結晶成長を確認した。ラマン分光法により結晶評価を行ったところ、ダイヤモンドに起因する明確なピークを確認することができ、本方式で原理的にダイヤモンド結晶成長が可能であることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダイヤモンド合成には、基材温度を最低でも800℃、一般的には1000℃程度にまで維持する必要がある。MSLプラズマは局所的に低パワーで比較的高いプラズマ密度を実現できる一方で、プラズマの体積は小さく、原料ガス温度は低温である。このため、通常の体積プラズマ放電を用いたダイヤモンド合成の様に、高い原料ガス温度(~2000-3000℃)で基材を加熱することができない。そこで、新規に構築した合成装置には1000℃にまで加熱可能なヒーターを設置したが、これが故障してしまったため、合成試験が一時停止した。これにより、合成実験時間が十分に確保できず、予定がやや遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
故障したヒーターは現在復旧済である。現在、合成試験を再開中で、予定していた条件依存性や、従来方式での合成結果との比較などを進める予定である。
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