2017 Fiscal Year Annual Research Report
Structural Design of High-Rise Chimney of Floating Solar Updraft Power Generator
Project/Area Number |
16K14299
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 邦征 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70216307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 知己 京都大学, 工学研究科, 教授 (30293905)
鈴木 康夫 京都大学, 工学研究科, 助教 (50431698)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 太陽熱発電 / 煙突構造 / 浮体構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーラーアップドラフト発電(Solar Updraft Power Generator)は,約50年前,ドイツの構造技術者によって考案された再生可能エネルギーの一つである.このシステムは,地上にガラス等の屋根を敷き詰めた熱収集部(コレクター)において太陽放射熱を温室効果で封じ込めることで地上の空気を暖め,この暖まった空気を煙突を通じて上空の低温な空気との間に生じた対流により空気流を起こし,タービンをまわす発電法である.本研究では,国土の狭い日本への適用に際して,ソーラーアップドラフト発電が洋上で実現可能であるか,浮体式タワー構造の構造実現性を検討した.洋上に設置することで設置場所の地形的制約を受けないこと,地震や巨大な構造物を支えるための基礎を検討する必要がないこと,そして,事故の際に周辺への人的被害が出ないなどの利点が期待できるためである. ソーラーアップドラフト発電用の煙突と浮体モデルについて検討した結果,1000mタワーを二つ試設計した.一つは,鋼製のシェルで構成され最大傾斜角を10度とし,質量が52.7万トンとなった.もうひとつは,鋼製トラスで構成され最大傾斜角を5度とし,質量が11.2万トンとなった.それぞれ,最低限求められる断面性能を示したに過ぎず,部材の溶接やタワー基礎について今後より詳細な設計が行われる必要がある.しかし,既存の1000mRCタワー設計の質量が52.7万トンであること,現在828mと世界一高い超高層ビル「ブルジュハリファ」の質量が50万トンであることを考慮すると,少なくとも鋼製シェルのモデルは質量の観点からは,妥当な重量であるが,これだけの巨大な構造物を海上で構築するには,多くの課題を解決しなければならない.
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