2016 Fiscal Year Research-status Report
ヘルムホルツ共振を利用したマイクロスケール攪拌励起
Project/Area Number |
16K14453
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩井 一彦 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80252261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大参 達也 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90169061)
熊谷 剛彦 北海道大学, 工学研究院, 助教 (20250475) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 直接観察 / 共振 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療分野などで利用されているマイクロリアクターでは、原料混合のための長い流路が必要とされる。それをなくすために、ヘルムホルツ共振容器単一、あるいはそれが連結した容器を提案する。このような容器への超音波を印加したときの流動や反応速度などの容器内現象を、音響工学のようにひとかたまりで捉えずに、ミクロスケールで物理的、化学的観点から解明することが本研究の目的である。 そこで、H28年度は流動、反応の観察を目的として、三次元音場解析を利用したヘルムホルツ共振容器の設計を行い、それに基づいて容器の試作を行った。液体として、脱気水、あるいは炭酸水を用いて超音波印加実験を行った。液体の温度上昇を計測することで、超音波パワーを推算したところ、いずれの溶液においてもほぼ同一であった。また、観察された定在波モードは同一であった。しかしながら、脱気水の気泡発生量は炭酸水のそれに比べてはるかに少なかった。また、アルミ箔を液相内へ挿入したところ、炭酸水の時だけ圧痕が観察されたので、この条件ではキャビテーションが発生していることがわかった。 同一容器で液深を変化させた場合、ある特定の液深でのみ共振が観察されたことから、液深による共振制御が可能であることを明らかにした。しかしながら、容器サイズが大きくなると共振は観察されなくなった。これは、現有の超音波がパワー不足である可能性があるので、今後は強力超音波を用いた実験を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
9.研究実績の概要、で述べた通り、大きな容器を用いると共振は観察されなくなった。これは、現有の超音波装置のパワー不足である可能性があり、その対策を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
9.研究実績の概要、で述べた通り、大きな容器を用いると共振は観察されなくなった。これは、現有の超音波装置のパワー不足である可能性がある。よって、強力超音波発振子が使用可能な容器を新たに設計して、実験を行うことを検討する。
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Causes of Carryover |
現有の実験装置で実験を継続するのか否か不明となったので、強力超音波発振子を用いた装置設計が可能かつ適切か否かを見極めたうえで、目的に応じた方法を選択して研究を推進することが必要なため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
強力超音波発振子を用いた装置設計が可能かつ適切か否かを見極めたうえで、新たな装置が必要であればその導入に使用する。現有装置の改良で良ければ、そちらに使用する予定である。
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