2016 Fiscal Year Annual Research Report
Structure optimization of hypoxically activated prodrug
Project/Area Number |
16K14628
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池田 豊 筑波大学, 数理物質系, 研究員 (70425734)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハイポキシア / 癌 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまでに既存の毒性の高い抗がん剤をプロドラッグ化する事で毒性を下げるとともに、悪性腫瘍が存在するとされている腫瘍の低酸素部位に集積させて薬剤をリリースするシステムの開発を行ってきた。これまでにゲムシタビン及びドキソルビシンをプロドラッグ化し、in vitroおよびin vivoによりその効果を示してきた。In vitroにおいては低酸素環境下での薬剤の放出及び細胞障害性の回復が確認できた。In vivoにおける評価では毒性の劇的な低下や生存率の向上、さらに、従来の抗がん剤は腫瘍深部の低酸素部位には全く到達していないのに対し、開発した抗がん剤プロドラッグは腫瘍深部の低酸素部位にまで到達していることが確認できた。本研究ではこれまでに開発した低酸素環境応答性プロドラッグのシステムをより広く展開するために様々ながん治療で用いられているプラチナ系の抗がん剤に展開させた。具体的にはシスプラチンをプロドラッグ化し、低酸素環境応答性とした。シスプラチンに対し、これまでに開発した2-ニトロイミダゾール誘導体を反応させ、新たな低酸素環境応答性シスプラチン誘導体を合成した。合成したプロドラッグをin vitroにおいて評価したところ、低酸素環境下において細胞障害性が回復していた。本研究ではさらにこれまでに開発したプロドラッグのIC50値を下げる試みを行った。具体的には従来のプロドラッグは薬剤がアミド結合を介してプロドラッグ化されアミド結合の開裂により薬剤がリリースされていたが、新たに開発したシステムはアミド結合を介したプロドラッグ化であるが、エステル結合の開裂をトリガーとする分子システムである。新たに開発したシステムをin vitroで評価したところ、IC50値が1桁低下していた。
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Research Products
(4 results)