2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of CAR that can recognize pMHC molecule derived from endogenous antigen of tumor cells
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16K14631
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
赤堀 泰 三重大学, 医学系研究科, 講師 (80221711)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒト抗体ライブラリ / pMHC / scFv / CAR / スクリーン / 標的細胞 / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①ヒト抗体ライブラリを用いて、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor, CAR)で使用できる、がん特異的なペプチドMHC複合体(pMHC)認識抗体を効率的に単離する方法の確立、そして、②単離抗体の安全性検討である。 申請者は、2016年度において、抗体スクリーンの方法を従来の人工合成のpMHCによる方法に加えて、ペプチドパルスAPC細胞、さらに、抗原遺伝子強制発現細胞を使用したスクリーン方法を実施し、ナチュラルなpMHC認識抗体を効率よく単離する方法を確立した。 次に、Jurkat細胞を使用して、これにポリクローンのscFv-CARを導入し、蛍光標識のpMHCテトラマーを使用した細胞ソートの方法を行い、得られたscFv-CARについて、個々に活性検討を行った。その結果、目的のクローンが複数得られたので、それらについては安全性検討をこれから行う予定である。ただ、得られたscFv-CARにはT cellシグナルを伝達できないものや、抗原pMHC刺激なしに活性化しているものが数多く含まれ、有効なscFv-CARを選択する効率を大幅に下落させていることがわかった。このことを通して理解したことは、選別の方法を単なる結合活性で選択するのではなく、T cell活性化シグナルによって選択する方がベターである、ということである。 今後は、正常にシグナル伝達するscFv-CARについて、その認識特異性を検討し、安全性を検討してゆく予定であるが、今回浮かびあがった課題についても解決の方法を検討することを考えている。具体的には、ポリクローンのscFv-CARをヒトPBMCに導入して、標的細胞と共培養し、正常に強く反応するクローンを選択する方法の確立である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペプチドパルスのAPC細胞、および内在性にがん抗原を発現している標的細胞のような、細胞発現のpMHCを使用したスクリーン方法を確立することは成功した。 また、Jurkat細胞にscFv-CARを導入したのち、蛍光標識pMHCを使用して、認識の強いscFv-CARを選択する方法も確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた複数のscFv-CARについては、今後以下の方法で有効性と安全性を検討する予定である。①手持ちのペプチドをAPCにパルスし、scFv-CAR T細胞を反応させ、認識特異性についての検討を行う。②標的ペプチドについて、濃度をふって反応性を検討し、反応のIC50を決める。③標的pMHCのペプチドについてアラニン置換ペプチドを設計し、これをAPCにパルスして、CAR-T細胞の反応性を検討して認識エピトープを明らかにし、その情報を基にBLAST検索を行ってoff-target候補を選び、それをペプチド設計してAPCにパルスして、scFv-CAR T細胞の認識を調べる。④細胞傷害性が十分あるか、反応は特異的かどうかについて、複数の標的細胞を準備して検討を行う。⑤担癌モデルを準備し、scFv-CAR T cell輸注によるがん抑制作用を検討する。
また、これまでの研究で、scFv-CAR T cellを選択するにあたって、T cellシグナルを指標にした選択システムを開発することが重要であることがわかった。平成29年度はそれにも取り組む予定である。
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Research Products
(3 results)