2016 Fiscal Year Research-status Report
ヒト型糖鎖を持つ抗体生産を可能にする大腸菌宿主の開発
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16K14886
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤山 和仁 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (70209112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 貴生 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助教 (10597876)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 大腸菌 / 組換えタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Campylobacter由来糖鎖転移酵素CjPglBの変異操作と機能改良 1)バクテリア、特に、Campylobacter属細菌10種の糖鎖転移酵素について、一次構造および転移する糖鎖構造の多様性について報告されている(Nothaft et al, 2012)。さらに、真核生物(ヒト・酵母)に由来する糖鎖転移酵素のうち、実質的糖鎖転移酵素サブユニットStt3の一次構造情報を加えて、比較検討した。C. jejuni由来糖鎖転移酵素CjPglBのタンパク質三次構造(Maita et al, 2011)などの情報を活用し、糖鎖転移部位認識に関連する部位と、ヒト型糖鎖認識に対する親和性に関連する部位を推定し、いつくかの重要なアミノ酸残基を改変対象として選抜した。2)糖鎖修飾検証用モデルタンパク質として、これまでC. jejuni由来CmeAタンパク質を用いてきた(Srichaisupakit, Ohashi, Fujiyama, 2014)。平成28年度はCmeAを糖鎖修飾検証用モデルタンパク質として用い、精製後、糖鎖付加を確認した。 2.抗体など医療用モデルタンパク質の大腸菌ペリプラズム画分での生産系開発 抗体を、大腸菌のペリプラズム画分にて可溶性かつ活性型で生産する技術が開発されている(Lee et al., 2014)。糖鎖付加もペリプラズム画分で行われると考え、抗体遺伝子にペリプラズム移行シグナルPelBを付加した発現ベクターを構築した。また、ペリプラズム画分でのフォールディングを促進させて、可溶性かつ活性型抗体の生産を促進するため、シャペロンDsbCを共発現させるベクターも構築している。大腸菌での生産の検証段階まで進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸菌でのタンパク質の生産誘導条件の検討に時間を要した。また、生産組換えモデルタンパク質のペリプラズムからの調製の効率化を検討したが、従来通りの方法が現在最良であることが判明し、その方法を用いることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
可溶性かつ活性型抗体の生産を促進するため、シャペロンDsbCなどを共発現させるベクターも構築しているが、大腸菌を用いた抗体タンパク質の可溶性型での生産が順調に進むとDsbC共発現ベクターを適用する必要がない。現在、大腸菌での抗体タンパク質の生産性について検証しているので、その結果を見て今後の方針を検討したい。
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Causes of Carryover |
研究がやや遅れていたため、必要な試薬の購入を実施しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度には、平成28年度分の研究も進捗し、問題なく研究を進めることができ、予算を活用できるものと考えている。
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