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2016 Fiscal Year Research-status Report

酸耐性と選択的透過性を両立する生物由来シリカ膜の解析とin vitroでの再現

Research Project

Project/Area Number 16K14888
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

池田 丈  広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (10505754)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords細菌 / 胞子 / ケイ素
Outline of Annual Research Achievements

一部のBacillus属細菌は胞子形成期に培地中のケイ酸(Si[OH]4)を取り込み、その重合体であるシリカ(SiO2)を胞子殻上に蓄積する。シリカ層が形成された胞子は、酸や塩素に対する耐性が向上しており、胞子表面のシリカ層が酸などに対する防壁として機能していると考えられた。一方で、発芽誘起物質(糖やアミノ酸など)の少なくとも一部を透過する性質を有しており、また、胞子発芽時にはシリカ層が脱落することが示唆された。つまり、本菌が形成するシリカ層は単なるガラス質のコーティングではなく、化学的耐久性と選択的透過性を併せ持ち、なおかつ能動的な分離が可能な多機能性の膜状構造体といえる。本研究では、多彩な機能を可能とする微細構造ならびに形成機構を明らかにし、それを模倣した機能性シリカ膜を形成することを目的とした。
本年度は、シリカ層の微細構造を詳細に観察するために、胞子殻のシリカ層の単離を行った。シリカ層を形成した胞子を濃硝酸・濃硫酸混合液中で強熱し、シリカ外部の有機物を分解した後、超遠心によりシリカ層を回収した。得られた画分の電子顕微鏡観察を行ったところ、胞子と同サイズの殻状の構造体が観察された。元素分析の結果、この構造体がシリカで構成されていることが確認されたことから、シリカ層の単離に成功したと判断した。現在、高解像度の電子顕微鏡により微細構造の観察を進めている。また、単離したシリカ層をフッ化アンモニウム処理に供し、シリカを溶解することで、シリカ内部に存在する有機物を回収することに成功した。現在、得られた物質の同定を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね当初の計画通りに進展している。

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究において単離に成功したシリカ層の微細構造の電子顕微鏡観察を引き続き行い、化学的耐久性と選択的透過性を両立しているメカニズムについて構造的な面から考察する。また、シリカ層から抽出した有機物の同定を行うとともに、抽出した画分を用いてin vitroでシリカ層形成反応を再現し、形成されたシリカ層の構造・性質を胞子由来のものと比較する。

Causes of Carryover

体調不良により、当初参加を予定していた学会への参加を取りやめたため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

当初予定していた学会とは異なるが、関連する学会で成果発表を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Bacillus属細菌のシリカ蓄積メカニズムの解析2016

    • Author(s)
      池田 丈, 田中 達也, 中川 美樹, 本村 圭, 廣田 隆一, 黒田 章夫
    • Organizer
      第68回日本生物工学会大会
    • Place of Presentation
      富山国際会議場・ANAクラウンプラザホテル富山
    • Year and Date
      2016-09-28 – 2016-09-30

URL: 

Published: 2018-01-16  

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