2016 Fiscal Year Research-status Report
コドン最適化による家畜感染症に対する高産生型イネを用いた食べるワクチンの作出
Project/Area Number |
16K15046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山川 隆 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20134520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 安喜 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90251420)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食べるワクチン / イネ / 再分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コドン最適化した家畜疾病防御抗原遺伝子(豚回虫As16およびニューカッスル病ウイルスFおよびHN遺伝子)を、アグロバクテリウムを利用した遺伝子導入法によりイネに導入し、組換えイネの種子中に大量に蓄積させることが可能であることを示し、より効率的な食べるワクチンを作出することを目的としている。 初年度は、はじめにイネの種子より胚性カルスの形成誘導を行った後、再分化を行った。イネの種子を殺菌後、2,4-Dを含む培地上で培養し、カルスを誘導して、胚性カルスの形成誘導を行ってからNAAを含む培地上で再分化させた。この後、再生植物体を植物ホルモンを含まない培地に移植培養して発根させ、再生植物体を育成した。これによりイネに遺伝子導入を行って異種タンパク質を作らせるイネの培養と栽培の一連の工程の準備ができた。 一方、導入遺伝子発現系としては、GluterinB(GluB)プロモータおよびCMV35Sプロモータを用いた。GluBプロモータは、イネ葉組織DNAよりPCR法にて増幅して得た。コドンをイネ科植物に最適化させたニューカッスル病ウイルス(NDV)FおよびHN遺伝子は、制限酵素切断部位(SacIなど)を含むため、プラスミド末端の配列を含む22bpおよび80bpの断片をinFusionにより付加し、pBI121系ベクターに導入して、アグロバクテリウムを用いてイネに遺伝子導入を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子導入に関わるイネの胚性カルスの誘導と再分化は予定通りに進んだ。一方で遺伝子導入のためのベクターの作製には時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の早い時期にに遺伝子導入発現系のベクターを作製し、イネへの遺伝子導入を行い、コドン最適化した家畜疾病防御抗原タンパク質をイネ種子中に蓄積させて、より効率的な食べるワクチンの作出をめざす。
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Causes of Carryover |
経費のかかる遺伝子導入ベクターの作製に時間がかかったため、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子導入のベクター構築が次年度も続くため、このベクター構築とその利用に次年度利用を当てる。
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