2016 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンAによる脂肪細胞の分化制御を調節する新規メカニズムの探索
Project/Area Number |
16K15090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90234179)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コラーゲン / レチノイン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンAの活性成分であるレチノイン酸はレチノイン酸受容体(RAR)を介して幹細胞の脂肪細胞への分化を抑制し、筋芽/骨芽細胞の分化を促進する。一方、幹細胞が脂肪/骨芽/筋芽細胞に分化するためには、細胞を取り囲む細胞外基質の「至適な硬さ」があり、硬い細胞外基質は脂肪細胞への分化を抑制し、筋芽/骨芽細胞への分化を促進する。申請者は接着斑タンパク質ビネキシンαが細胞外基質の硬さを感知するセンサーとして働くことを明らかにしていたが、最近ビネキシンαのスプライシングバリアントであるビネキシンβがRARγと結合することが報告された。このことは、レチノイン酸が、細胞が分化するための「至適な硬さ」を調節することで、幹細胞の分化を制御している、という全く新しい可能性を示す。本研究では、この可能性を検証し、脂肪/筋芽細胞の分化を調節するための新たな手法を探索する。 28年度は、まずビネキシンのレチノイン酸受容体への結合能を確認した。その結果、ビネキシンβだけでなく、細胞外基質の硬さの感知にかかわるビネキシンαもレチノイン酸受容体に結合することが分かった。次にレンチウイルスを用いてビネキシンの発現を抑制した間葉系幹細胞株を作製し、レチノイン酸とビネキシンが分化に与える効果を調べた。その結果、コントロール細胞でも、レチノイン酸刺激が骨芽細胞マーカー遺伝子のmRNA発現量を増加させるが、この効果はビネキシン発現抑制幹細胞において、より顕著であることが分かった。このことから、ビネキシンはレチノイン酸によって制御される間葉系幹細胞分化の効率を制御する可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度にビネキシンとレチノイン酸受容体γとの結合を確認するとともに、ビネキシンのレチノイン酸シグナルへの効果が確認されつつあり、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた効果を確認するとともに、硬さの異なる基板上でのビネキシンとレチノイン酸との関係を検討していく必要がある。
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[Journal Article] ABCG1 and ABCG4 Suppress gamma-Secretase Activity and Amyloid beta Production2016
Author(s)
Sano, O. Tsujita, M. Shimizu, Y. Kato, R. Kobayashi, A. Kioka, N. Remaley, A. T. Michikawa, M. Ueda, K. Matsuo, M.
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Journal Title
PloS one
Volume: 11
Pages: e0155400
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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