2017 Fiscal Year Research-status Report
C末欠損セロトニントランスポーターをセンサーとした新規シャペロン機構の同定と応用
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16K15318
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
酒井 規雄 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (70263407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秀 和泉 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (20253073)
田中 茂 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 講師 (20512651)
白藤 俊彦 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (30595765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セロトニントランスポーター / 小胞体ストレス / 薬物検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
① SERTΔCT の取り込み活性を上昇させる膜輸送活性化薬物のスクリーニング法の開発 1) 蛍光標識SERT 基質用いたハイスループットスクリーニング法開発への取り組み:非ステロイド系抗炎症薬のFlurbiprofenが本スクリーニング法にてSERTの膜輸送を活性化して取り込み活性を上昇させることがわかった。Flurbiprofenは自身の持つケミカルシャペロン活性を発揮してこのような効果を持つものと考えられた。また、HSP誘導剤である潰瘍薬を効果を本検索法で検討したところ、Carbenoxoloneが同様な機序でSERT取り込み活性を上昇させることがわかった。 2)SERTΔCT の凝集体形成を指標にした膜輸送活性化薬のスクリーニング法の開発:ハイコンテント顕微鏡OperaPhenixを用いてSERTΔCTの凝集対形成を認識させ、各種薬物の凝集体形成に対する効果を判定する実験手法を確立した。前述のFlurbiprofen、CarbenoxoloneはともにSERTΔCT の凝集体形成を抑制することが本検索法で明らかになった。このように、ERストレス緩和作用を持つ薬物の候補が見つけることができた。 ② 薬物により変動する遺伝子群のcDNAアレイによる網羅的解析:シグマ受容体アゴニストのSKF-10047処置による遺伝子変動を解析し複数の有力なSKF-10047のターゲットと思われる遺伝子を同定した。その中でも、膜輸送に関与する蛋白としてSNARE蛋白の一つであるsyntaxin 3が実際にSKF-10047処置により発現が増強することがわかった ③麻酔薬プロポフォールがタンパク質リン酸化酵素Cに対して多彩なトランスロケーションを誘発することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光標識SERT 基質用いた計測方法、SERTΔCT の凝集体形成を指標にした計測方法、を確立し、その検索法を用いることにより、複数のERストレス緩和作用を持つと考えられる薬物を同定した。 薬物により変動する遺伝子群のcDNAアレイによる網羅的解析に着手し、膜輸送活性化作用を持つSKF-10047の標的と考えられるタンパクを同定することができた。 麻酔薬プロポフォールの新たな作用機序に迫ることができる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
確立されたスクリーニング法を用いて、さらに薬物検索を進めていく。新たなSERTΔCTの活性を評価する方法として、SERTΔCTの発現細胞に取り込まれたセロトニンをセロトニン抗体で認識させて評価することを試みる。cDNAアレイによる網羅的解析、薬物結合タンパク質の検索をさらに進める。
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Causes of Carryover |
1.C末欠損セロトニントランスポーターの取り込み活性が、当初予定していたNeurotransmiter Transporter Uptake Assay Kitでは測定できないことがわかり、他の方法による活性測定方法を開発するのに時間を要した。セロトニンを取り込ませた細胞を抗セロトニン抗体で免疫組織学的手法で解析する方法に変更したことで解析するのに時間を要した 2.cDNAアレイの結果を検証することに時間を要した。 1.2の理由から30年度においては、新たな解析手法による、C末欠損セロトニントランスポーターの取り込み活性を上昇させる薬物の検索を行う。また、cDNAアレイ解析で見いだされた発現変動遺伝子のノックダウン細胞や過剰発現細胞を用いて、SKF-10047の新規標的蛋白の同定を試みる。これら2つの実験計画の遂行に次年度使用額である500,000円を用いる。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] The Role of Cysteine String Protein Alpha (CSPα) Phosphorylation at Serine 10, and 34, by Protein Kinase Cγ for Presynaptic Maintenance.2018
Author(s)
Shirafuji, T., Ueyama, T., Adachi, N., Yoshino, K. Sotomaru, Y., Uwada, J., Kaneoka, A., Ueda, T., Tanaka, S., Hide, I., Saito, N. and Sakai, N.
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Journal Title
J. Neurosci.
Volume: 38
Pages: 278-290
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Propofol induced diverse and subtype-specific translocation of PKC families2018
Author(s)
Miyahara, T., Adachi, N., Seki, T., Hide I., , Tanaka, S., Saito, N., Irifune, M. and Sakai, N.
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Journal Title
J. Pharmacol. Sci.
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Modifications of tau protein after cerebral ischemia and reperfusion in rats are similar to those occurring in Alzheimer's disease - Hyperphosphorylation and cleavage of 4- and 3-repeat tau.2017
Author(s)
Fujii, H., Takahashi, T., Mukai, T., Tanak,a S., Hosomi, N., Maruyama, H., Sakai, N., and Matsumoto, M.
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Journal Title
J Cereb Blood Flow Metab.
Volume: 37
Pages: 2441-2457
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The role of Cysteine string protein alpha (CSPa) phosphorylation at Ser10 and Ser34 by PKCg for the presynaptic maintenance,2017
Author(s)
Shirafuji, T., Ueyama, T., Adachi, N., Yoshino, K., Tanaka, S., Hide, I., Saito, N., Sakai, N.
Organizer
第23回世界神経学会議/第58回日本神経学会学術大会
Int'l Joint Research
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