2017 Fiscal Year Annual Research Report
Rejuvenation of stem cells, tissues and individuals
Project/Area Number |
16K15489
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高島 康弘 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (70469930)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナイーブ型多能性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、リプログラミングの技術を用いて、ヒトプライム型ES/iPS細胞をより未分化なヒトナイーブ型ES/iPS胞にリセットすることに成功している。ナイーブ型とプライム型は同じ多能性幹細胞であるが、発生の時間軸で見ると、ナイーブ型は子宮着床前胚に一致するが、プライム型は子宮着床後胚に一致し、より発生の進んだ多能性幹細胞である。プライム型ES/iPS細胞をナイーブ型ES/iPS細胞にリセットすることは、プライム型ES/iPS細胞を若返らせるととらえることができる。 またプライム型とナイーブ型という二つの多能性幹細胞における最も注目すべき違いの一つにDNAメチル化がある。ヒトナイーブ型iPS細胞は脱メチル化が進んでいき、低メチル化状態となる。本研究では、プライム型からナイーブ型へとリセットされる過程を詳細に解析できる系の樹立を行った。ナイーブ型からプライム型へとリセットする際にマーカーとなる遺伝子として、OCT3/4のエンハンサーGFP(EOS-GFP)を利用し、経時的変化を追ってリセットが成功した細胞の純化を行った。また表面抗原であるCD75、CD130、CD57を利用し、約2週間でナイーブ型として若返った細胞を取り出すことにも成功した。 同時にナイーブ型から再度分化をさせ、着床後細胞系列へと分化させることも行い、遺伝子発現の変化を解析し、マーカー遺伝子を同定した。 以上、本課題では、試験管内における細胞のメチル化状態を解析するための基盤的研究を実施し、追跡できる系の確立ができた。 私たちの個体は幹細胞から新規細胞が供給され、古い細胞は取り除かれ、新陳代謝し、維持される。老化、疲弊の根本には、幹細胞の疲弊とエピゲノム修飾が関わっていると考える。そこで今後は、ナイーブ型とプライム型の移り変わりを利用し、エピゲノムのダイナミックスを解析し、研究を発展させる。
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Research Products
(9 results)