2016 Fiscal Year Research-status Report
多機能TVAシステムによる新規造血幹細胞解析システムの構築
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16K15501
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 聡 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (50625580)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / TVA / RCAS |
Outline of Annual Research Achievements |
Kr7-TVA, Evi1-TVAマウス共に我々の研究室で作成し、両マウスにレトロウイルスもしくはレンチウイルスを投与することで生体内の造血幹前駆細胞にウイルスを感染させた。 さらに、造血幹細胞特異的にKr7とEvi1が発現しているかをEvi1-GFP, Kr7-EGFPマウスを用いて解析した。ウイルスを感染されたマウスの評価としてはC57BL/6マウスを用いる移植実験にておこなった。 その結果、改変型レンチウイルスを生体内に投与することで、造血幹細胞特異的に遺伝子を導入することが可能になった。さらには、生体内定常状態における造血幹細胞の経時的な変化や分化を明らかにした。 この成果は2017年、1月にScientific Reportsへ報告した (Tajima et al., 2017 Sci Reports)。国際的にマテリアルの供与依頼が来ている。また現在はゲノム編集技術を組み合わせることにより体細胞における生体内でのよりユニークなシステムの構築を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的は初年度にマウスの作成や基盤の構築を目的とし、次年度から本格的な実験や解析に入る予定であった。しかし、研究環境に恵まれた研究機関であることから全ての工程が順調に行われ、初年度の後半に論文を発表するに至った。これらの理由から、想定以上に良い成果を生み出せたと確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が構築した生体内において造血幹細胞特異的にウイルスを感染させるシステムは将来、血液学もしくは免疫学にとって重要なツールとなりえる。さらには白血病の研究分野に特化して使用できると考えている。そのことから、今後は本研究課題で作成したシステムを用いて白血病発症のメカニズムなどについて研究していくことにする。
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Causes of Carryover |
次年度に使用額が生じた理由としては、以下のような計画が控えているためである。1)白血病細胞の発症にともなう遺伝子のスクリーニングシステムの構築、2)スクリーニングに用いるマウスの購入、3)白血病発症マウスの網羅的解析である。以上の項目を実施するために次年度への使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
強制発現スクリーニングには大量の遺伝子を購入する計画である。 またそのスクリーニングに用いるマウスも多いことからマウス維持費が必須である。 また、病態の網羅的解析を受託により行うことから費用が必要である。
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[Journal Article] 1.An All-Recombinant Protein-Based Culture System Specifically Identifies Hematopoietic Stem Cell Maintenance Factors.2017
Author(s)
Ieyasu A, Ishida R, Kimura T, Morita M, Wilkinson AC, Sudo K, Nishimura T, Ohehara J, Tajima Y, Lai CY, Otsu M, Nakamura Y, Ema H, Nakauchi H, Yamazaki S
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 14
Pages: 500-508
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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