2017 Fiscal Year Annual Research Report
Measuring inattention and diagnosis of ADHD: an application of the eye-tracking technology
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16K15556
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (20362189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高貝 就 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (10447807)
中原 竜治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任研究員 (60725167)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 注意欠如・多動症 / 視線 / 不注意 |
Outline of Annual Research Achievements |
注意欠如・多動症(以下ADHDと略)の症状・行動様式の客観的な評価系を確立することを目的に、視線計測装置Gazefinderを用いて以下の検討をおこなった。 ①ADHD児・者に見られる不注意症状を特異的に抽出しうる刺激映像を作成した(Scene 2)。この刺激映像を機器の画面に提示することによって、注意機能に負荷をかける探索課題を簡便におこなうことができる。この際の視線を測定することにより得られる反応時間およびターゲット刺激個数が、症状を反映する客観的臨床指標となる可能性を示した。 ②平成27年10月~30年2月に725例の被検者を募集し、Gazefinderから得られる臨床指標候補の計測を行った。一方、臨床評価尺度としてすでに確立しているADHD評価スケール(ADHD-RS)を計測し、各診断指標との相関を解析した。その結果、指標「反応時間3/c5」「ターゲット探索個数2/c5」がADHD-RS不注意得点と有意な相関を示した。これらの指標は、ADHD-RS以外の臨床評価尺度とも関連を示しており、その症状特異性はロバストであると考えられた。 以上より、視線計測装置Gazefinderによって、ADHDにみられる不注意を客観的に評価できるものと考えられた。ADHDの症状・行動様式のうち、多動・衝動性と比較して不注意はとくに気づかれにくく、専門家でも見逃すことがある。今後のGazefinderを用いた臨床応用が期待される。
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