2017 Fiscal Year Research-status Report
代謝改善薬は抗VEGF薬硝子体注射にとって代わるか?
Project/Area Number |
16K15731
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白矢 智靖 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60572394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 聡 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20214372)
森屋 恭爾 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00272550)
荒木 章之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20724652)
上田 高志 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (90631573)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 代謝改善薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大学医学部附属病院の眼科および糖尿病代謝科を受診した患者において、糖尿病の診断を受けた患者のうち投薬内容が把握され、かつ眼科専門医による眼底検査によって網膜症の病期分類が可能であった患者を対象とした。当院の過去のカルテ情報を用いて、空腹時血糖、Hb-A1c、投薬内容とその期間などの内科的観点と、視力、眼圧、眼底所見、眼底写真を基にした糖尿病網膜症の病気分類(福田分類)の眼科的観点から評価を行った。研究参加者の人数は当初の予定よりも少数であったため、引き続き対象の代謝改善薬の内服有無とその種類、糖尿病網膜症の程度との相関をレトロスペクティブに検討し、関連する因子を調べていく。特に投薬内容の変更によって網膜症が変化したものには注目する。 高脂肪食を負荷させた高血糖マウスと代謝改善薬を含む高脂肪食によって対照群と共に育成を行った。これらのマウスの網膜組織について、糖尿病網膜症に関連するVEGFならびに各種サイトカインの発現を確認した。具体的な方法として網膜のmRNAを抽出、qPCR(real time PCR)を行った。さらに網膜の蛋白質を抽出後ELISA法を用いてVEGFならびにPLGF蛋白量が上昇しているかどうかを確認した。結果として、食餌負荷において体重増加は有意差が得られたものの、血糖値の上昇は確認されず、各種サイトカインについても対照群と比較して発現の差はみられなかった。今後は糖尿病網膜症モデルマウスを用いて、代謝改善薬投与による網膜症の改善または関連サイトカインの発現変化を網羅的に解析する方針にシフトした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究参加者の人数は当初の予定よりも少数であった。また、基礎実験では高脂肪食を負荷させたマウスと代謝改善薬を含む高脂肪食によって対照群と共に育成を行ったが、網膜における各種サイトカインについても対照群と比較して発現の差はみられず、今後は糖尿病網膜症モデルマウスを使用する方針にシフトしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は糖尿病網膜症モデルマウスを用いて、代謝改善薬投与による網膜症の改善または関連サイトカインの発現変化を網羅的に解析する方針にシフトする。
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Causes of Carryover |
動物実験において対照群、高脂肪食群、代謝改善薬投与群において、研究途中で網膜の各種サイトカインの発現に差が見られず、当初予定していた項目の試薬の購入を延期したため。
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