2018 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolic stimulant serves as a substitute for anti-VEGF injection therapy?
Project/Area Number |
16K15731
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白矢 智靖 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60572394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 聡 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20214372)
森屋 恭爾 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00272550)
荒木 章之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20724652)
上田 高志 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (90631573)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 代謝改善薬 / 糖尿病網膜症 / 抗VEGF療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始時においては、高脂肪食を負荷させた高血糖マウスと代謝改善薬を含む高脂肪食によって対照群と共に育成を行った。これらのマウスの網膜組織について、糖尿病網膜症に関連するVEGFならびに各種サイトカインの発現を確認した。具体的な方法として網膜のmRNAを抽出、qPCR(real time PCR)を行った。さらに網膜の蛋白質を抽出後ELISA法を用いてVEGFならびにPLGF蛋白量が上昇しているかどうかを確認した。結果としては、食餌負荷において体重増加は有意差が得られたものの、血糖値の上昇は確認されず、各種サイトカインについても対照群と比較して発現の差はみられなかった。この結果を踏まえ、糖尿病網膜症近似モデルマウスを用いて、代謝改善薬投与による網膜症の改善または関連サイトカインの発現変化を網羅的に解析する方針とした。 コントロールマウス(C57BL/6J)および糖尿病網膜症近似とされる周皮細胞消失網膜の動物モデルマウスを用いて、代謝改善薬投与の有無によって網膜血管レベル、組織学的評価および関連サイトカインの発現変化を比較した。代謝改善薬を投与した群では網膜血管密度が有意に低く(正常に近い)、網膜組織構造が保持され、かつ炎症所見(マクロファージ浸潤)が抑制されることが示された。さらに網膜のmRNAによるqPCRにおいて、VEGF発現の低下と一部のサイトカインについても発現が低下することが分かった。この結果から代謝改善薬が抗VEGF療法と同様に糖尿病網膜症の改善効果を及ぼす可能性が示唆された。現在は本研究結果をまとめ、学会発表ならびに論文投稿準備中である。
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