2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of inflammation control mechanism with hypothermia initiated by cold shock protein RBM3
Project/Area Number |
16K15762
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田崎 修 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90346221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 吾郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00437427)
山野 修平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60570538)
梅原 敬弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60617421)
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然免疫系 / 低温ショック蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a) 低体温モデルと低温ショック蛋白RBM3、CIRPの発現 低体温モデル:マウスを全身麻酔下に冷却マットにて16~18℃で60分間冷却した後に、室温で正常な体温まで戻し、24時間後にマウスを安楽死させた。コントロール群は同様に全身麻酔下に保温マットで37℃に体温コントロールを行った。血液は心腔内採血し、脳、心臓をサンプリングした。血液、組織よりtotal RNAを抽出して逆転写後、PCR施行し、Rps18を内部コントロールとしてmRNAを定量化した。定量RT-PCRにより低温ショック蛋白RBM3、CIRPのmRNA発現を測定した。予想に反して、血液、脳、心臓のいずれにおいても、shamと比較して低温ショック蛋白RBM3、CIRPのmRNA発現に有意差は認めなかった。 (b) 低体温と自然免疫系の関係 RBM3の自然免疫系を介した炎症制御への関与を調べるために、自然免疫受容体と下流のシグナル分子群をターゲットに遺伝子発現を測定した。結果は、血液、脳、心臓いずれにおいても、shamと比較して、自然免疫受容体と下流のシグナル分子群のmRNA発現に有意差は認めなかった。 本研究では、低体温にも関わらず、低温ショック蛋白が上昇しなかった。今回、mRNAしか測定していないため、蛋白レベルでは上昇していた可能性が考えられた。また、本研究では24時間後にmRNAを測定していたが、より早期に測定していれば変化を捉えられた可能性もある。自然免疫系のmRNAも変化を認めなかったことについては、低温ショック蛋白が変化していない可能性のほか、低温ショック蛋白と自然免疫系の関係あるいは、低体温の自然免疫系への直接の影響は少ない可能性が考えられた。低体温による低温ショック蛋白の発現と自然免疫系の関係をより詳細に調べるには、さらに長時間の低温暴露と経時的なmRNA発現を調べる必要があると思われた。
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Research Products
(3 results)