2016 Fiscal Year Research-status Report
歯周病細菌による肝臓内侵入・定着機構のバイオイメージングを用いた解析
Project/Area Number |
16K15790
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
岡元 邦彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10311846)
門脇 知子 (筑波知子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (70336080)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯周病細菌 / バイオイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病細菌は口腔内の血流に乗って全身へ播種し、様々な全身疾患の憎悪に深く関与している。最近、歯周病細菌が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症にも関与していることが報告されたが、詳細なメカニズムは不明である。本研究では、バイオイメージング解析により、歯周病菌が血流に乗ってどのように肝臓に定着・侵入して、どのような影響を及ぼすのかに関して、培養細胞やマウス個体を用いた生体内での変化を観察する。さらに病態モデルマウスを用いて、血流から肝臓への集積の様子を観察する。本年度は以下のような解析を行った。 1 P.g.は脂肪滴には存在せず、オートファゴソームやリソソーム内に存在する:ヒト肝細胞様HepG2細胞にオレイン酸2mMを添加し24時間培養を行ったところ、細胞内に脂肪滴が蓄積できた。この条件を脂肪肝モデルとした。その際、P.g.をMOI:100で感染させても細胞毒性は認められなかった。この条件で共焦点レーザー蛍光顕微鏡解析を行ったところ、P.g.は脂肪滴には局在せず、LC3陽性のオートファゴソームやLAMP2陽性のリソソーム内に存在することが分かった。 2 脂肪滴が存在するとP.g.の感染初期での生存率が増大する:正常および脂肪肝モデルにP.g.を添加し、細胞内に侵入した細菌数を比較したところ、侵入した細菌数に差は見られなかった。さらに添加後、6,12、24、48時間経過時の細胞内の細菌数を比較したところ、6時間後には脂肪肝モデルでは有意に多く検出された。この結果から脂肪滴が存在するとP.g.の6時間までの感染初期での生存率が増大し、その後は同程度に排除されていくことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪滴存在下でのP.gingivalisの細胞内動態 P.gingivalisをヒト肝臓由来HepG2細胞を上記の方法で感染させた。培養細胞に脂肪肝形成モデルを誘導する方法としては培地に、オレイン酸とアルブミンの混液を添加させることで作成可能である。具体的には無血清培地で培養後、培地にオレイン酸 (0~2mM)にアルブミンを1:4の割合で混和後培地中に添加し、1日後には細胞内に脂肪滴が蓄積させた。これをオイルレッドO染色すると細胞内に脂肪滴が蓄積することが確認できた。この結果から脂肪滴が存在するとP.g.の6時間までの感染初期での生存率が増大し、その後は同程度に排除されていくことが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスを用いたバイオイメージング解析 メチオニン・コリン欠乏食で2か月間給餌するとNASHモデルマウスが作成できる。肝臓から組織に脂質を輸送するリポタンパク質の合成ができなくなるため、肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝になるからである。その後同マウスに対して蛍光染色したP. gingivalisを静脈注射する。その後、時間経過と共に、多光子励起顕微鏡観察を行う。なお、本実験で行う細菌染色用蛍光色素の励起波長は近赤外領域に当たるが、生体への近赤外領吸収効率は低いため、励起光の深部到達性も高く、共焦点顕微鏡を用いた場合に生じる浅層部での蛍光色素の自己遮蔽効果が回避できるため、標本深部でも十分な励起光強度を確保できる。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Sanguiin H-6, a constituent of Rubus parvifolius L., inhibits receptor activator of nuclear factor-kB ligand-induced osteoclastogenesis and bone resorption in vitro and inhibits tumor necrosis factor-a induced osteoclastogenesis in vivo2016
Author(s)
Sakai E, Aoki Y, Yoshimatsu M, Nishishita K, Iwatake M, Fukuma Y, Okamoto K, Tanaka T, Tsukuba T
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Journal Title
Phytomedicineol.
Volume: 23
Pages: 828-837
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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