2017 Fiscal Year Research-status Report
卵子提供による非配偶者間生殖補助医療における家族形成支援研究
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16K15898
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
柳井 圭子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60412764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エレーラ ルルデス 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (40597720)
鈴木 清史 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (80196831)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 卵子提供 / 非配偶者間生殖補助医療 / 家族支援 / 台湾 / 提供者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、卵子提供による非配偶者間生殖補助医療(以下、「本医療」)の立法化議論が停滞するなか、日本における本医療による家族形成支援に向けた課題を考察することを目的としている。1年目の文献レビューおよびデータ分析を踏まえ、生まれてくる子への告知を含めた家族形成と本医療への意思決定に課題を定め支援のあり方について検討している。本年度は、本医療によって出産に至った14組を対象に、本医療前の施設内倫理審査委員会の匿名化情報となる記録内容をデータ化し分析を行っている。これらデータを「本医療を受けるに至った心境」、「出自を知る権利の保障への具体的な計画とその思い」「子どもの養育に関する思い」に整理し分析を行うことで課題内容を特定した。本研究の対象はほとんど姉妹間での卵子提供であるため、提供への強制力はないとされつつも、出産後に想定される被提供者と提供者との関係、子どもを含めた複雑な家族形成が想定されている。データ分析結果では、提供者は本医療の理解と協力の意思とともに複雑な思いがあることが示されており、その支援のあり方についてさらなる検討が必要である。告知に関しては、本医療前のカウンセリングを経ており、告知の意義と必要性についての理解が深まっていること、告知への決意と具体的な思いが示されている反面、時期決定の困難感や子どもの理解の程度周囲の反応等子どもが生まれる前の実感のない状況であることへの不安がある。課題検討において素材となる匿名で実施し、告知問題を生じさせない方法をとることで本医療を進めている台湾の施設への調査では、提供者の提供の意思が経済的支援だけでないこと、被提供者に対する施設側のフォローアップ体制への取り組みについて教示を得た。さらに文献・資料等で検討を重ねることで、家族支援について考察を続ける。なお研究遂行にあたっては、本学研究倫理審査委員会の承認を得て行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台湾での現地調査を終え、データ整理と行っている。全体の考察に向け、これまでの日本でのデータ整理はほぼ終えることができた。 研究班での会議や意見交換、スーパーバイズ、研究協力を受け、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進め、昨年度発表分は論文化に、また台湾でのデータ整理を行ない学会発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究関連の最新情報を得るため、大阪開催の日本遺伝子カウンセリング学会に参加をしたが、非会員・当日参加であったため、予定額をこえてしまった。今年度の研究遂行においては、予算内で実施可能な状況である。
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Research Products
(3 results)