2017 Fiscal Year Research-status Report
小児がん・脳腫瘍患児ときょうだいとの関係に着目した家族支援プログラムの開発
Project/Area Number |
16K15921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 伊織 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20622252)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児がん / きょうだい / 親 / 子ども / 小児看護学 / 家族看護学 / QOL / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
がんと診断された子どもの家族は、外傷的体験に晒され、大きな心理的影響を受ける。看護師には、本人ときょうだいを含む家族全体がストレスに対処できるようサポートすることが求められる。本研究の目的は、診断を受けた時期を中心に、家族全体を対象とする介入プログラムの日本版を開発することである。 平成29年度には、小児がんの治癒率が、がん種によっては90%を超えるなど極めて向上している昨今においても、寛解導入不良や腫瘍崩壊症候群、感染症(FN)などさまざまな理由で命を落とす患児がいる中で、まず、患者家族と看護師医師との間の関係、すなわち家族システムよりもひとつ大きなシステム(患者―医療者システム)に着目し、本人ときょうだいを含む家族全体がストレスに対処できるためには、それを支える看護師が、患児の死をはじめとするストレスに対処できるよう、看護師の思いと経験を明らかにする研究を行った【小児がん治療初期の医療システムに関する研究】。また、診療報酬が得られることを受けて急速に拡大している、造血細胞移植後フォローアップ外来については、子ども(小児科)も対象であるものの、各施設で手探りに行っている状況である。本研究では附属病院において、看護師が患者家族からスムーズに問診を行い、医師そして患者家族にフィードバックを行うための電子システムを開発し、そのfeasibilityと有効性を検証することを計画した(計画段階であり、結果が出るのはH30年度である)。【小児がん長期フォローアップ期の医療システムに関する研究】 平成30年度は以上の2つの医療システムに関する研究を通じて、がんと診断され、その後も治療・フォローアップを続ける子どもと家族を取り巻く医療システムの基盤を構築し、介入プログラムを行う素地を固めたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドとの良好な関係を維持し、当初の計画通りに進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに進める。
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Causes of Carryover |
(理由)平成28年度に実施することができなかった、海外での実践状況の情報収集について、国際小児がん学会の機会を利用して実施するため (使用計画)平成30年度に旅費として使用する
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Research Products
(1 results)