2017 Fiscal Year Research-status Report
看取りを支える訪問看護の質指標の作成とITシステム構築に関する研究
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16K15971
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 小紀子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40336532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 淳子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10553563)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 質評価 / 看取りケア / ITシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目の平成28年度には、関連文献の系統的レビュー、急性期病院を対象に診断群分類包括評価DPCにおける質管理の取組についてのヒアリング、在宅緩和ケアの質評価の仕組みを先駆的に取り入れている訪問看護事業所への現地調査、及び訪問看護管理者へのケアを質評価する際の内容の適切性とそれを入力システムの導入・運用を行う際の実践現場の課題の意見収集を行い、これら4つの結果を基に、ストラクチャー(事業計画、人員体制等)、プロセス(疾患、病期、処置等)、アウトカム(利用者評価、訪問看護師評価、コスト等)の3側面から構成される「看取りを支える訪問看護の質指標案」を作成した。 2年目の平成29年度には、1年目に作成した利用者単位の「看取りを支える訪問看護の質指標」の内容を搭載したITシステムを作成し、その試行として、全国の訪問看護ステーション10か所を対象に、平成29年度3月末時点でがん末期38例と非がん末期17例の対象において、1か月分の訪問時すべてのストラクチャー、プロセス、アウトカムのデータ収集が終了した。その結果、がん末期は症状管理、非がん末期は栄養管理と家族ケアにケアの配分が多く、コストについてはがん末期は非がん末期に比べて同じ1か月に同程度の回数の訪問であったにもかかわらず1.5倍程度の評価がついている実態が明らかにされた。システムについては、29年度末の時点で5か所の事業所から回答が得られ、非該当項目をスキップできずに回答者が手入力しないと次に進めない、異常値データが確認されたため入力時に異常値入力できないようなアラート機能がついていると良い、などの意見が出された。今後はさらに意見を集約し、これまでの意見に加えてシステムの修正・改善を加え、質指標の内容を標準化するとともに、その内容を搭載したITシステムを完成させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度はITシステムの開発に時間を要し、かつ10か所の研究協力事業所の選定にも時間を要したため、ITシステム試行のスタートが半年遅れた。しかし半年の遅れはあるものの、継続して本研究を進めていくことで、当初の予定通りの成果は得られる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
試行調査をスタートできたのが、平成29年度の1月からと当初の予定より半年遅れたため、データ収集の解析とITシステムの修正が遅れている状況である。しかし、29年度末時点で、研究協力機関におけるデータ収集は順調に進んだため、平成30年度には得られたデータの分析とITシステムの完成を順当に進めていける見通しである。
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Causes of Carryover |
(理由)7と8で記載したように、29年度の当初の計画スケジュールが、ITシステムの開発と10か所の研究協力事業所の選定に時間を要したことから、半年遅れた。しかし、半年程度の研究期間の延長により、当初に見込んでいた成果は達成できる予定である。 (使用計画)このため、資金使用も半年程度延長することで予定通り執行できる見込みである。
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