2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢で繊維化している下肢リンパ浮腫を改善するために効果的な圧迫療法の開発
Project/Area Number |
16K15976
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
赤澤 千春 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (70324689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 千登世 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (10212614)
福田 里砂 京都看護大学, 看護学部, 准教授 (40534938)
森本 喜代美 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助教 (90616046)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 下肢リンパ浮腫 / 皮膚硬度計 / ストッキング圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:繊維化した下肢リンパ浮腫に効果のある圧を検討する。方法:下肢リンパ浮腫ステージⅡ期にある患者に皮膚の硬度と常時使用しているストッキングの圧を測定し、一定期間後に再度皮膚の硬度を測定し、皮膚硬度と効果のある圧を検討する。使用するのは皮膚硬度計、圧測定器、握力計を用いて測定する。 結果:現在までの対象者は10名まで前後のデータが収集できている。今回は10名のデータ結果を報告する。対象は全員女性で婦人科がんの術後。平均年齢は64.8歳、最高齢は82歳。BMIの平均は22.76。リンパ浮腫発症は左側が6名右側が4名。1回目の下肢体水分量の差の平均は2.23.皮膚の硬度の平均は0.4.下肢周囲径左右差の平均が最も大きかった部位は大腿で12.3cm。着圧の平均は33.8mmHgであった。2回目の下肢体水分量の差の平均は1.97。皮膚硬度の平均は0.31。下肢周囲径左右差の最も大きかった部位は鼠径部で3.99cm。着圧の平均は23.9mmHgであった。1回目と2回目の患側の周囲径の差で最も大きく変化したのは大腿部が1.31cm減、膝が0.59cm増であった。 結論:2回目に皮膚硬度、周囲径とも改善がみられていた。皮膚硬度が高ければ着圧も高正の相関となった。着圧の範囲は20~40mmHgの幅で効果がみられた。皮膚硬度0.5以下であれば負の相関を取り、皮膚硬度が低くても着圧が高い方が効果がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
下肢リンパ浮腫のステージⅡ期の対象者が少ないことと、測定前後で3カ月の期間が必要なため、データ数を集めるに時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者数を15例まで集め、その分析結果に沿って、皮膚硬度計による効果の程度に合わせた圧幅に沿って、ステージⅡb期の対象者5名に対して、順次圧迫療法を行い、有効な圧を導き出す。
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Causes of Carryover |
平成30年度は下肢リンパ浮腫患者の繊維化による皮膚硬度に合わせて弾性ストッキングを着用してもらい、実際に効果のある圧を検討するために、弾性ス十キングの購入が必要となる。また、6月の国際学会でこれまでの報告と、リンパ浮腫の国際的な情報収集する予定である。
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