2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of atmospheric chemical reaction of exhaust gas in waste plastic material recycling and verification of treatment method
Project/Area Number |
16K16207
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
水越 厚史 近畿大学, 医学部, 講師 (50520318)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | VOC / 光化学オキシダント / ホルムアルデヒド / フォトフェントン反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃プラスチックマテリアルリサイクルによる排ガスの大気化学反応の究明と処理法の検証を目的とし、本年度はフィールドにおける大気化学反応の寄与の調査と実験によるVOC処理技術の検証を行った。フィールド調査では、夏季(6月)に施設付近(約800 m)で大気中ホルムアルデヒド濃度を電気化学的燃料電池法の連続測定器によりモニタリングした。また、常時監視測定局(一般局)の同時期における光化学オキシダント、PM2.5、NMHC、NO2の濃度と日射量を参照した。その結果、ホルムアルデヒド濃度は8~10時頃から上昇し、午後にピークを迎え、深夜にかけて減少した。この変動は、一般局のNMHC、NO2濃度とは異なる傾向で、日射量と光化学オキシダント濃度と連動しており、日射量と光化学オキシダント濃度上昇の後、ホルムアルデヒド濃度が上昇していた。これは同地域における既往の調査と同様の傾向であり、光化学反応がホルムアルデヒドの生成に寄与していることが示唆された。 次に、湿式酸化促進法を用いた気中VOCの分解除去の検証を行った。VOCは、近年、室内汚染物質として注目されている2-エチル-1-ヘキサノール(2E1H)を対象とした。フォトフェントン反応を用いた除去法により、3ppmの2E1Hをワンパスで85%以上除去可能であった。除去後の出口ガスにはアセトアルデヒドなど酸化分解生成物が導入ガス濃度の2%程度確認された。 研究全体では、プラスチック溶融時発生物質を実験により把握し、フィールドにて大気化学反応によるホルムアルデヒド生成の可能性を示し、湿式酸化促進法によるVOC除去可能性を実証することができたため、廃プラスチックマテリアルリサイクルにおいて排出される化学物質の挙動や処理法についての情報が集積されたと考える。また、一連の実験・調査方法は、排出化学物質の挙動把握のための汎用的手法として期待できるといえる。
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