2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study on context for promoting ethical consumption:focusing on environmental-friendly produced local crops
Project/Area Number |
16K16250
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
青木 美紗 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (50721594)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 倫理的消費 / 農産物 / 環境配慮型農産物 / 消費行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、環境に配慮した地場産の農産物に限定して購入特典を提供することによって倫理的消費を拡大させている実例を研究対象とし、消費者の意志と行動を分析することによって、農産物の倫理的消費を促す文脈要因を明らかにすることを目的している。 これまで、調査対象とした農産物直売所の利用者を対象としたアンケート調査を実施し、約4割の利用者が、環境に配慮した農産物の認証マークを知っており、またその農産物を購入することで地域の農業や農地を維持することに貢献できるということを認識していることが明らかとなっていた。 令和元年度は、その内容をより詳細にとらえるために、アンケート調査の回答者の中から12名を選抜し、3グループに分けてグループインタビュー調査を実施した。その結果、食や農業、環境問題、地域振興に関心が高い直売所の利用者が対象者のうち半数以上を占め、安全・安心だけでなく地域の農業に貢献するために、農産物直売所で環境に配慮した農産物を購入していることが明らかとなった。一方、それらの社会課題にあまり関心をもっていない利用者は、おいしくて新鮮な農産物を購入したい、あるいは地元の新鮮な農産物が一番おいしいと感じていることから継続的に購入していることが明らかとなった。農産物の生産プロセスを想像しながら倫理的消費を実施することには難しさも残るが、地域に貢献したいという潜在的な気持ちが、地元の農産物を購入し倫理的消費に繋がっていることが見て取れた。
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