2017 Fiscal Year Research-status Report
手指巧緻運動障害のためのリハビリテーションの神経基盤解明:脳磁図を用いた検証
Project/Area Number |
16K16431
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
齊藤 秀和 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (70610369)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 手指巧緻運動 / リハビリテーション評価 / 脳磁図 / 運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①ヒトを対象として手指巧緻運動課題を新規に作成し、手指巧緻運動障害を有する患者への評価利用を目指すこと、②手指巧緻運動課題およびその難易度による大脳皮質領域およびその活動時間特性の違いを明らかにすること、を目的としている。手指巧緻運動障害は治療に難渋しやすく、本研究により手指巧緻運動時の脳活動が変化するタイミングが明らかとなり、手指巧緻運動障害に対する時間的記入方法開発の基盤情報が得られると考える。本研究では、次の項目を計画した。①手指巧緻運動課題を新規に作成し、健常者の課題遂行結果に基づいて課題を選定する。併せて課題難易度を設定する。②新規手指巧緻運動課題を手指巧緻運動障害患者の評価へ適応する。③新規手指巧緻運動課題および遂行時の脳磁場を計測および電流現推定を実施し、その電流源の空間的分布、解剖学的活動領域および脳活動の時間的推移に関する検討を行う。従って本研究の手指巧緻運動課題において、遂行の難易度を段階付け、課題難易度の違いが脳活動、特に運動開始前の活動に与える影響について解明する。 平成29年度では、新規に手指巧緻運動課題を複数作成し、健常者の課題遂行結果に基づいた課題選定について検討を進めた。従来より臨床場面で実施されている手指巧緻運動の検査課題では、利き手・非利き手を検査結果から判断するのが困難なものも存在した。一方、今回選定した手指巧緻運動課題の多くは、利き手・非利き手を課題遂行結果から判断可能であり、臨床応用への可能性が示唆された。また手指巧緻運動障害を有する患者への評価適応についても開始し、健常者で選定された課題について、臨床応用へ向けてのさらなる選定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳磁場計測に先立ち、健常者における新規の手指巧緻運動の課題選定に時間を要しており、併せて課題内容などについて再検討する必要があった。そのため計画していたスケジュールを変更するに至った。それに伴い、手指巧緻運動障害を有する患者における新規手指巧緻運動課題による評価の実施、および健常者における課題遂行中の脳磁場計測に時間を要し、今年度に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は、昨年度までに選定された新規の手指巧緻運動課題を基に、手指巧緻運動障害を有する患者への評価適応についての検討を進める。また選定された運動課題実施中の脳磁場計測を行い、脳活動領域の位置およびその活動の時間的推移を明らかにする。 以上で得られた結果について纏め、論文発表や学会での情報提供、ホームページなどを利用しての研究成果発信を予定している。
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Causes of Carryover |
(理由) 計画変更に伴い、脳磁場計測が予定通りに実施できなかったため、計上していた機器貸与に係る経費、被験者への謝金について残額が生じた。 (使用計画) 他施設所有の機器を計測に使用するため、液体ヘリウム購入を含む機器貸与に係る経費、研究材料および備品、被験者への謝金、研究成果発表に関わる諸経費に使用する。
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Research Products
(4 results)