2017 Fiscal Year Research-status Report
プロスポーツ企業における従業員の心理的契約に関する組織論的研究
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16K16550
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Research Institution | St. Catherine University |
Principal Investigator |
芳地 泰幸 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 講師 (70736256)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心理的契約 / プロスポーツ企業 / スポーツ経営学 / 組織行動学 / ワーク・モチベーション / 職務パフォーマンス / 経営組織論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、プロスポーツ企業で働く従業員の心理的契約の履行/不履行が従業員の職務パフォーマンスにどのような影響を与えるのかを検証するための質問紙調査(定量的調査)を展開することを目的に、前年度(初年度)の研究成果を踏まえ、心理的契約内容と履行/不履行を正確に評価するための質問項目の作成と質問紙の開発に向けた以下の調査を実施した。まず、プロスポーツ企業間の比較検討(企業特殊性の検証)をおこなうために新たに関東圏のプロスポーツ企業で働く従業員2名への半構造化面接調査を実施した。得られたナラティブデータを平成28年度のデータと比較して解析することで、プロスポーツ企業間の相違点や共通点を確認した。その結果、「魅力的な仕事内容」「給与(賃金)」「職場環境」「雇用」「仕事と家庭の両立」「業績評価」等の要素がプロスポーツ企業に共通する要素として導き出された。次に、本研究で得られた結果を一般企業を対象とした先行研究とも比較検討することで、スポーツ企業で働く従業員の心理的契約内容の特徴を明らかにするとともに、それらの履行/不履行の状況を適切に評価するための質問項目を作成した。さらに、開発された質問項目を用いて質問紙法によるパイロットスタディも実施し、測定内容妥当性と構成概念妥当性、信頼性を検討した。 以上の通り、平成29年度は定量的な質問紙調査の実施に向けてプロスポーツ企業で働く従業員の心理的契約内容を構造化するとともに心理的契約内容の履行/不履行を評価するための質問紙を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度内に複数のプロスポーツ企業の従業員を対象とした質問紙調査(定量調査)を実施予定であったが、当初の計画よりも、プロスポーツ企業で働く従業員の心理的契約内容とその履行/不履行を正確に評価するための質問項目および質問紙の作成に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、研究を展開していく。研究計画の遂行および実施にあたっては、研究関連機関との連携を密に図り調査を実施する。特に最終年度となる本年度は、2ヵ年間の研究成果を踏まえ、心理的契約の履行/不履行が従業員の職務パフォーマンスの発揮や職業キャリアに与える影響を統計学的に検証するための質問紙調査を複数のプロスポーツ企業従業員に実施するとともに、スポーツ企業の心理的契約測定のためのガイドラインを開発する。
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Causes of Carryover |
当初、計画していた質問紙調査(定量調査)の遂行に若干の遅れが生じたため。 調査実施とデータ解析に伴う人件費・謝金はじめ消耗品や関連備品の購入などの経費として使用する。
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