2018 Fiscal Year Research-status Report
グループや会に参加しどのような運動・スポーツ種目を実践すると要介護認定率が低いか
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16K16595
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
辻 大士 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (90741976)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コホート研究 / 運動疫学 / 介護予防 / 通いの場 / 日本老年学的評価研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の社会参加の機会として様々な種類のグループや会が存在するが,運動・スポーツの会への参加は,介護予防効果が特に大きいことが示唆されている.本研究では10万人超の高齢者を対象とした縦断追跡調査を実施し,課題1: 高齢者が会に参加してどのような運動・スポーツの種目を実践しているのか,課題2: 会に参加してどのような種目を実践する高齢者はその後の要介護認定率が低いのかを明らかにすることを目的とする.平成30年度の研究実施計画は,平成28年度に収集した約13万人のデータを分析し,会に参加して実践している運動・スポーツの種目と高齢者の健康状態との関連を検証することであった. その結果,男女いずれもグループに参加してゴルフを実践している者では,主観的健康感が高く,抑うつが少なく,笑いの頻度が高いことが明らかとなった.また女性に限定すると,グループに参加してウォーキングを実践している者では,それらの項目がいずれも良好であることが確認された.その他にも,登山,ランニング・ジョギング,ダンスなどで,いずれかの項目と有意な関連が確認された.しかしながら,女性において実践者が多い体操については有意な関連が見られた項目は無かった. 運動やスポーツを取り入れた通いの場を地域に展開する際には,実践者が多く,かつ,あらゆる健康指標と共通して有意な関連が見られたゴルフやウォーキングを含めたプログラムが有効かもしれない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に当初の計画どおりの時期に調査を実施することができ,想定していた回収数を得ることができた.平成29年度には分析用のデータセットの整備が完了し,平成30年度は分析に着手することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は縦断追跡調査を実施し,グループに参加してどのような種目を実施している高齢者ではその後の要支援・要介護認定が抑制されているか,分析を実施する予定である.これらの成果は第78回日本公衆衛生総会で発表し,Journal of Aging and Physical Activityへの投稿を予定する.
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Causes of Carryover |
理由: 当初想定していた国際学会参加のための旅費(約350千円)について,日程上の都合で参加不可となったため次年度使用額となった. 使用計画: 参加を見送った国際学会への参加を予定する.また,追跡調査の実施に向けた準備をより円滑に進めるためのアルバイト謝金として,平成31年度に使用する計画である.
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Research Products
(4 results)