2016 Fiscal Year Research-status Report
投資に内在する倫理的問題を解決するための日本版倫理コードの提案
Project/Area Number |
16K16691
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
杉本 俊介 大阪経済大学, 経営学部, 講師 (80755819)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ビジネス倫理 / 投資 / 道徳と自己利益 / フィリッパ・フット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、経営者や投資家が直面する投資に内在する倫理的問題を突き止め、その問題を解決するため、日本版倫理コード(Code of Ethics)を提案することを目的とする。 平成28年度は、投資に内在する倫理的問題の特定を目標とし、以下の研究を中心に行なった。 1.責任ある投資に関する文献研究を行ない、先行研究から投資に内在する倫理的問題の特定を試みた。そして、それが倫理学で議論されてきた「道徳と自己利益の対立」という論点にかかわることを明らかにした。成果の一部は、上海で行われた国際学会International Society of Business, Economics, and Ethics(ISBEE)の大会で発表し、各国の研究者と意見交換を行なった。発表内容は修正して、同大会のプロシーディングスに投稿中である。 2.道徳と自己利益の対立に関して、フィリッパ・フットの著作(Philippa Foot, Natural Goodness(2001)など)で提案された解決法を検討した。成果の一部は、韓国で行われたConference on Contemporary Philosophy in East Asia(CCPEA)2016で発表し、各国の研究者と意見交換を行なった。発表内容は修正して、学術誌に投稿中である。 3.経営者と投資家との意見交換を行ない、「責任ある投資」の導入・実施において問題だと考えられているものを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究をサーベイし、投資に内在する倫理的問題が倫理学で議論されてきた「道徳と自己利益の対立」という論点にかかわることを明らかにした。さらに、その解決案も検討している。このように理論的考察は進んでいるが、当初の研究計画において挙げていた経営者と投資家に対するヒアリング調査に十分な時間をとることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はまず、今年度実施できていないヒアリング調査の実施に注力したい。その後、当初研究計画案に示した論点を検討したい。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画において挙げていた経営者と投資家に対するヒアリング調査に十分な時間をとることができなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヒアリング調査を行なうための旅費として使用する。
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Research Products
(2 results)