2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K16728
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 早紀子 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD) (40770904)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 不動明王 / 密教 / 図像 / 胎蔵図像 / 胎蔵旧図様 / 現図胎蔵曼荼羅 / 安国寺 / 東寺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、七~九世紀頃のインドを対象として、図像学的観点から不動明王の形成過程を明らかにすることにある。そして、八~九世紀頃の中国における展開を踏まえ、九世紀の日本に請来された不動明王図像の成立背景を究明することを目指している。 第二年度目である本年度は、八~九世紀頃の中国における不動明王図像の展開の問題を中心に研究を進めた。具体的内容は、以下の通りである。 本年度前期には、国内で可能な文献や画像の収集を行い、八~九世紀頃の中国における不動明王像の現存作例(日本に伝存する請来品を含む)について整理した。その上で、九月に中国・西安碑林博物館所蔵の不動明王像(三件)を実査し、現状確認や写真撮影などを行った。これらの画像や写真に基づき、本年度後期には八~九世紀頃の中国における不動明王像の細部の図像を比較し、その特色について整理・分析した。さらに、不動明王について説く漢訳経典を精査し、経典に説かれる不動明王図像と現存作例との異同についても検討した。これらに加え、九~十世紀に遡る日本の不動明王像の作例に関しても国内調査を実施した。 以上の研究成果については、密教図像学会第三七回学術大会(二〇一七年一二月、於高野山大学)で「不動明王図像の形成と展開」と題する口頭発表を行い、公表した。現在、本口頭発表の内容に加筆・修正を加え、八~九世紀頃の中国における不動明王図像の展開に関する論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画にしたがって遺品調査と資料収集を行い、八~九世紀頃の中国における不動明王図像の展開に関する一定の研究成果を上げることができたため、「おおむね順調に進展している」と判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も国内外での遺品調査と資料収集を継続し、本研究課題の目標達成に向けて着実に調査・研究を進めていく。また、本研究成果の公表は未だ口頭発表の段階であるため、完成度を高めて活字化していく計画である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、(1)当初予定していた調査が別経費で実施できたため、(2)備品および消耗品の年度内納品が難しい状況だったためである。 次年度使用額は、平成30年度請求額と合わせて物品費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)