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2016 Fiscal Year Research-status Report

山岸章二のアーカイブ作成:写真プロデューサー山岸章二が果たした業績の研究と記録化

Research Project

Project/Area Number 16K16743
Research InstitutionTokyo National University of Fine Arts and Music

Principal Investigator

下西 進  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (10760811)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords日本写真史 / 現代写真 / カメラ毎日 / 山岸章二 / オーラル・ヒストリー / アーカイブ
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、1960~70年代にかけて雑誌『カメラ毎日』(毎日新聞社、1954~1985年)の編集者として活躍した写真プロデューサー山岸章二(1928~1979年)のアーカイブを作成し、山岸章二の戦後の日本写真史における業績とその影響を研究しようとするものである。平成28年度は、大きく分けて以下の二つの研究を行った。
第一に、平成26年度末に東京芸術大学附属図書館に寄贈された膨大な数の写真史関連書籍の調査研究である。この資料は山岸の妻で、インディペンデント写真キュレーターの山岸享子氏が寄贈したものだが、この中から山岸章二が関わった仕事を精査する作業を行った。これらの資料を用い、高度経済成長期におけるカメラ雑誌の役割やその影響力、またこの時代に生まれた写真表現の流れを追う事で、山岸の仕事と時代の関係性についての調査に取り組んだ。さらに、森山大道や深瀬昌久、リー・フリードランダーなど山岸と深く交流した写真家が、山岸と交わした資料を分析する事で、彼らと山岸との強いネットワークが確認できた。第二に、山岸の死の直前まで直接交流があった写真家や作家に対するインタビュー調査である。この取材調査では、山岸の交友関係や人物像など、これまでどこにも記録されてこなかった証言を得ることができた。
2017年出版予定の共著(執筆言語:英語)『The Routledge Guide to Photography and Visual Culture』(Taylor & Francis社, New York)では、日本の現代写真発展における山岸の活躍を広く紹介した。今年度の補助金は、上記研究遂行の出張費、書籍・資料購入費、記録用機材の購入費、資料複写費、取材協力者への謝金に当てた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度の目標であった山岸章二に関する資料(山岸が所持していた書籍資料に加え、山岸が撮影した写真ネガフィルム・ポジフィルム、音声テープ等の一次資料)の整理とインタビュー調査によって、研究の骨格となる基礎的な資料調査や、山岸と関係の深かった重要人物の特定といった作業を終えたため、順調に進展していると言える。
特に、資料調査過程では、山岸が『カメラ毎日』に配属になる前に担当していたと思われる業務資料や、毎日新聞社にいた山岸が、他社の広報誌のカメラマンとして関わっていた資料等が見つかり、今後の研究を進める上で非常に重要な手がかりとなる。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は主にインタビュー調査を中心としつつ、東京芸術大学附属図書館に寄贈された山岸章二旧蔵の書籍資料調査を続ける予定である。山岸の家族から提供された貴重資料(山岸が撮影した写真ネガフィルム・ポジフィルム、企画展覧会資料、音声テープ等の一次資料)には、個人情報に関する内容も含まれるため、今後情報を精査した上で公開する予定である。
また、山岸と交流があった人物たちのインタビュー調査に関しては、現在取材対象者の多くが70~80歳代と高齢化しているため、取材の申し入れを早急に進め、山岸に関するオーラル・ヒストリーのアーカイブ完成を目指す。また、山岸と直接交流があった人物だけに限らず、山岸の仕事に大きな影響を受けた写真家や、その業績を高く評価している写真評論家への取材も視野に入れている。
以上の資料をまとめ、研究報告書を作成した上で、平成29年度末の研究報告会で発表する。

Causes of Carryover

年度末の取材調査に関し、取材協力者の都合により、取材が次年度に延期となった。このため、計画額通りに予算を使用する予定だったが、旅費や人件費分が次年度に持ち越された。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度分の繰り越し予算を次年度の予算に加えて研究を遂行する。取材協力者の体調により、取材調査が延期する可能性は想定していたため、この繰り越し予算を使用して次年度に研究出来る時間猶予は残している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Book (1 results)

  • [Book] 「 Case Study on Shoji Yamagishi, Editor of the Japanese Photography Magazine Camera Mainichi」(『The Routledge Guide to Photography and Visual Culture』所収)2017

    • Author(s)
      Susumu Shimonishi (Moritz Neumuller 編著)
    • Total Pages
      印刷中
    • Publisher
      Taylor & Francis, New York

URL: 

Published: 2018-01-16  

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