2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basical reserch about the roof tiles
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16K16948
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Research Institution | The Paleological Association of Japan, Inc. |
Principal Investigator |
市川 創 公益財団法人古代学協会, その他部局等, 客員研究員 (80372134)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 上方瓦 / 近世 / 大坂 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度となる今年度は、前年度までに実施できなかった補足的な資料調査を行うとともに、翻刻作業を継続して進め、またこれまでの研究の総括を行った。 おもな資料調査先としては、弘前市(弘前城跡出土資料を調査)、八戸市(八戸城跡ほか出土資料を調査)、新発田市(新発田城出土資料を調査)、鹿児島県・鹿児島市(鹿児島城跡出土資料ほかを調査)、奈良女子大学(奈良町出土資料を調査)などがある。これらの資料調査による主たる成果としては、日本海側の弘前城跡・新発田城跡では大坂産の瓦が出土するのに対し、太平洋側の八戸城では大坂産の瓦が出土しないとわかったこと、また八戸城跡、鹿児島城跡などでは特徴的な胎土を使用しているとわかったこと、などが挙げられる。さらに弘前城跡、新発田城跡では、大坂産の瓦が当初は搬入され、のちに模倣されて在地生産されていく様相を把握することができた。 翻刻作業については、大坂で瓦生産を行った寺島家の本拠である南瓦屋町について、水帳の翻刻を行った。これにより、町の構成と瓦生産の変容を考えるうえで、基礎的な情報を得ることができた。 そのほか、昨年度に引き続いて研究補助員を雇用し、資料調査データの整理や資料調査内容のデータベース化、近世瓦の全国的な集成作業を進めた。 上記のような作業をもとに、今年度は本研究の総括を行い、成果報告書を作成し、関係する分野を専門とする全国の研究者のほか、資料調査先、また近畿地方を中心とする公立機関などに送付した。また成果公表の一環として、考古学の専門雑誌『考古学ジャーナル』に原稿を投稿し、掲載されている。
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Research Products
(3 results)