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2016 Fiscal Year Research-status Report

執政制度とコーポラティズムの関係変容:フランス家族政策を事例に

Research Project

Project/Area Number 16K17044
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

千田 航  北海道大学, 法学研究科, センター研究員 (80706747)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords家族政策 / フランス / 福祉国家
Outline of Annual Research Achievements

当初予定では、本年度中に理論枠組みを構築する予定であったが、当該年度6月に日本比較政治学会年報で「フランス半大統領制における家族政策の削減と再編―1990年代の利益団体の抵抗と「自由選択」―」を発表するだけでなく、2017年3月に東京大学発達保育実践政策学センター主催の保育・子育て政策研究カンファレンスで「フランスにおける多様な保育サービスと認定保育ママ制度」と題した報告を行うなど、実証分析にも重点を置きながら理論枠組みを構築する作業が続いた。その結果、当初の予定通りには先行研究の文献および資料収集を順調に行えていない状況にはある。より精緻な理論枠組みの構築が求められる。
「フランス半大統領における家族政策の削減と再編」では、1990年代の家族政策の削減の政治に対して、利益団体が抵抗して削減を一時的なものに留めたことについて、全国家族会議というアリーナが重要な役割を果たしたことを指摘した。また、半大統領制下の執政制度が削減から再編へと至る局面の移行に機能した可能性があることも指摘した。
また、「フランスにおける多様な保育サービスと認定保育ママ制度」と題した報告では、フランスの保育サービスを中心に家族政策の発展プロセスについて説明した。フランスでは1980年代から保育所を中心にサービスの拡大を狙ったが、地方分権や財政状況によってうまくいかず、最終的に地方ではなく中央が主導して行える現金給付と認定保育ママ制度を組み合わせることで保育サービスの拡充に舵を切ったことを説明した。
以上の研究実績の結果、理論枠組みの構築までは至っていないものの、フランス家族政策に関連するコーポラティズムや大統領―首相関係の変容は大まかなかたちで捉えることができるようになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

精緻な理論枠組みの構築までには至っていないものの、近年のフランス家族政策の変容を説明するうえで執政制度やコーポラティズムの変化が果たしてきた影響はある程度説明できるまでにはなってきている。
ただし、「政治の大統領制化」との関連では説明が十分になされていないため、先行研究の精読を継続的に行う必要があることと、半大統領制に関する議論の整理も明確にする必要がある。
とはいえ、論文の公表や研究カンファレンスでの報告など、当初には予定していなかった成果公表が比較的早い段階で行われていることを考慮すると、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価することができるだろう。

Strategy for Future Research Activity

今後はフランスでの現地調査と資料収集を行い、大まかに捉えられている理論枠組みからフランス家族政策の変化を説明することになる。
ただし、本年度より研究機関を移動することになったため、その影響から現地調査のタイミングが当初予定から外れることが見込まれる。当初はフランス大統領選挙期間中に現地調査を行う予定であったが、上記の都合により行えなくなったため、時期をずらしたうえで現地調査と資料収集を実施したい。
また、理論枠組みの構築が遅れているため、先行研究の整理も継続して行い、精緻な理論枠組みの構築も目指したい。

Causes of Carryover

当初の予定では、執政制度やコーポラティズム、フランス政治の具体的な内容を検討するために文献や資料を大量に購入する予定であったが、北海道大学に所蔵されている資料によってある程度整理することが可能であったため、予定金額よりも下回った。
また、成果公表が先行したために理論枠組みの精緻な構築が十分にはできず、文献や資料を隅々まで渉猟するに至らなかったことも影響している。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前年度までに精緻な理論枠組みが構築できなかったため、執政制度やコーポラティズム、フランス政治の文献や資料を購入する必要がある。また、次年度からは新しく大学を異動することになったが、そこは経済学部のみであるため、政治学の基本的な文献も不足している。前年度分を用いて政治学の基本的な文献も買い揃える予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] フランス半大統領における家族政策の削減と再編2016

    • Author(s)
      千田航
    • Journal Title

      日本比較政治学会年報 執政制度の比較政治学

      Volume: 18 Pages: 239-260

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] フランスにおける多様な保育サービスと認定保育ママ制度2017

    • Author(s)
      千田航
    • Organizer
      東京大学発達保育実践政策学センター保育・子育て政策研究カンファレンス
    • Place of Presentation
      東京大学本郷キャンパス
    • Year and Date
      2017-03-11

URL: 

Published: 2018-01-16  

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