2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K17665
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
諏訪 雄大 京都大学, 基礎物理学研究所, 特定准教授 (40610811)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 超新星爆発 / シミュレーション / 強い重力レンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
超新星爆発には著しい多様性があることが知られており、そうした多様性を生む物理を明らかにすることを目標に研究を進めている。今年度は以下の成果が出た。1)超強磁場中性子星”マグネター"を形成する超新星爆発シミュレーションを行い、衝撃波に”マグネター”がエネルギーを注入することによって衝撃波および超新星エジェクタにどのような構造の変化が発生するのかを詳細に調べた。2)強い重力波源として極めて注目されている連星中性子星を作る超新星の候補である、早進化超新星(光度発展の時間スケールが通常の超新星よりはるかに短い)のシミュレーションを行い、超新星エジェクタの中でどのような元素合成が達成されるのかを計算した。その結果、鉄よりも重い元素を生成する可能性を示した。3)強い重力レンズ効果によって同じ天体からの像が複数現れる超新星がいくつか観測されている背景から、将来計画によって重力レンズを用いた超新星の予報が可能かどうかを検討した。その結果、小さな時間誤差(1日以内)で超新星が発生する時刻を予報することが可能であることがわかり、超新星の最初の短時間増光であるショックブレイクアウトの多波長でのマルチメッセンジャー観測への提言を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は4本の論文を出版し、後続の研究も順調に進んでいる。また、当初は想定していなかった、重力レンズ効果を用いた超新星の多波長観測への提言という新たな方向性の研究も進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
標準的超新星の初期条件依存性の広範なサーベイを行うとともに、早進化超新星と中性子星形成に関連した研究やマグネター形成に伴う超新星研究を主に進める。
|
Causes of Carryover |
前年度からの繰越分で当該年度の支出に対応したため。最終年度はこれまでの成果を報告するための経費および必要物品の購入に支出予定である。
|
Research Products
(13 results)