2020 Fiscal Year Research-status Report
ゲージ・重力対応にもとづく非平衡・非定常現象の解明
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16K17704
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
木下 俊一郎 中央大学, 理工学部, 共同研究員 (20548226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時空のエネルギー / 3次元時空 / 保存カレント |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、動的な非定常過程のように時間並進対称性をもたない場合についての、時空のエネルギーや角運動量といった保存カレントについての議論を行った。 時空のエネルギーは、ゲージ・重力対応においてゲージ理論側の状態のエネルギー密度を与えるなど重要な意味を持つが、重力理論では時空の局所的なエネルギーの定義は一般に困難である。 しかし、球対称時空のように一部の特殊な場合については非自明な保存カレントの存在が知られており、たとえ動的な場合においても保存カレントに基づくエネルギーの定義が可能である。 このような手法を角運動量をもった3次元軸対称時空に拡張することで、同様の保存カレントおよびそれに付随する準局所的なエネルギーや角運動量といった保存量の定義を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重力理論における時空のエネルギーの定義というやや基礎的・一般的な議論を行ったため、ゲージ・重力対応への具体的な応用までには至らず残された課題となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
時間に対する定常性がない場合でも、他の対称性などの存在により系の解析が容易になる場合が多数あることが判明してきた。 これらをゲージ・重力対応の具体的モデルに適用することで、非定常系の物理量を議論していく。 特にせん断流といったこれまで扱っていなかった系へも拡張し詳細な解析をめざす。
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Causes of Carryover |
パンデミックによる研究会の現地開催中止や出張機会等の激減により旅費として考えていた使用ができなかった。 また大学施設の使用制限もあり、当初の物品購入計画なども大きく変更が生じた。 オンライン開催やテレワーク作業に対応するための機器の購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)