2021 Fiscal Year Research-status Report
ゲージ・重力対応にもとづく非平衡・非定常現象の解明
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16K17704
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
木下 俊一郎 中央大学, 理工学部, 共同研究員 (20548226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲージ・重力対応 / 非平衡電気伝導 / 線形安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、ゲージ・重力対応を用いて非平衡定常状態の安定性を議論した。 D3/D7模型は外部電場での非平衡電気伝導状態を記述するが、温度・電場などの与えられたパラメータに対して、異なる電流の複数の定常解が存在する。このような定常解のうち実現されるうるものを議論するため、線形摂動に対する安定性を解析した。 この結果、おなじ外部パラメータに対し低い電流値をもつ状態は不安定モードをもつことを示した。またこのようなモードはある臨界波数以上で安定化することから、臨界波数程度の空間の非一様性をもつ定常状態の可能性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
D3/D7模型の記述する非平衡定常状態について、その安定性を複数パラメータについてある程度網羅的に示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
線形安定性解析により明らかになった臨界波数の存在は、電流分布が非一様となる新たな非平衡定常状態の存在を示唆している。 このような非平衡定常状態を非線形・非摂動に探索する。解の構成にはこれまでの常微分方程式ではなく偏微分方程式を解く必要があるため、このための定式化から行っていく。
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Causes of Carryover |
昨年度からつづくパンデミックの影響で旅費・人件費の支出がほぼ皆無であった。 また予定していた論文校閲の時期が遅れたため関連支出が次年度へと繰り越しとなった。 次年度はパンデミックの影響が比較的改善すると考えられるため、旅費などへの支出を計画している。
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Research Products
(2 results)