2022 Fiscal Year Annual Research Report
Non-equilibrium and non-stationary phenomena in gauge/gravity duality
Project/Area Number |
16K17704
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
木下 俊一郎 中央大学, 理工学部, 共同研究員 (20548226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲージ・重力対応 / ブラックホール / D3/D7ブレーン模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、ゲージ・重力対応に基づいて非定常な現象についての解析を行った。 量子系に双対時空が存在する場合、時間空間的に局在した入力を与えると、時空を伝わる粒子のようにふるまう応答となることが予想される。そこで実際に入力を構成し双対時空を伝播する波束を計算することで、観測されうる応答を具体的に与えた。 また、量子系への重力の影響の効果の一端として、重力下で運動する粒子に対する時間の遅れを量子力学的に評価しその干渉項の存在および観測可能性を議論した。 研究期間全体を通した成果は、おもにD3/D7模型に基づいて非平衡定常系の性質を議論したものと、そこから派生した様々な系について議論したものに大別される。前者としては、回転電場系という新しい非平衡定常系の提案し、その相構造を電場強度・周波数について明らかにした。また、従来の直流電流系について、線形摂動を詳細に調べることで系の安定性を広い電場領域にわたって明らかにした。後者としては、以下のような成果をあげた。ブラックホールからの回転エネルギーの引き抜き機構についてストリングと磁力線に共通する性質に基づいてその本質的な物理を解明した。ゲージ重力対応によればブラックホールに対応する量子系が存在するが、このような量子系においてホログラフィックなブラックホールの像を得るための実験的方法論の提案を行った。また非定常かつ回転している時空で保存するエネルギーの定義を考案した。
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Research Products
(7 results)