2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ultrahigh-energy cosmic ray observation by the automatic system with a single pixel fluorescence telescope
Project/Area Number |
16K17710
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
多米田 裕一郎 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (90467019)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超高エネルギー宇宙線 / 宇宙線 / 空気シャワー / 大気蛍光望遠鏡 / 大気蛍光法 / 質量組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超高エネルギー宇宙線観測のための単素子大気蛍光望遠鏡を開発し、宇宙線空気シャワー観測システムを構築し、宇宙線検出能力を実証することである。 最終年度は、望遠鏡の性能向上を目的に再設計し、4台の望遠鏡を製作した。望遠鏡の集光レンズのサイズを1.4平方メートルに拡張し集光量を向上させた。また、受光部に用いる光電子増倍管の感面の縁における感度の不確定性を軽減するため、感面の縁を遮光するフィルターを加えた。望遠鏡は屋外に設置することを前提としているため、耐久性の高い遮光板で覆い、日中の太陽光の集光を防止するために、望遠鏡の内側には遮光カーテンを設置した。また、データ収集用のFADCボードにGPSレシーバとのインターフェイスを実装し、10nsの精度でのタイムスタンプ取得が可能となった。 製作した望遠鏡を、米国ユタ州のテレスコープアレイ(TA)実験 Black Rock Mesa (BRM) サイトに輸送、設置し、宇宙線観測を実施した。10月に4台の組み立て、及び設置が完了し、11月より宇宙線空気シャワーの試験観測を合計10日間実施した。データ取得は、TA実験の大気蛍光望遠鏡コントロールルーム内よりリモート操作により行った。取得したデータから、宇宙線空気シャワー候補事象を探索した結果、2台以上の望遠鏡で同期して検出された空気シャワー事象が、少なくとも10事象確認できた。これは、10の18乗電子ボルト程度の宇宙線空気シャワー事象が観測可能として見積もった期待値と一致した。よって、本望遠鏡による宇宙線検出能力を実証することができた。 自律稼動システムとして、屋外設置可能な望遠鏡によるネットワーク経由でのリモート操作での観測は実現した。研究期間中に実施できなかった電力自給は、国内での試験によりすでに見通しはたっており、平成30年内に米国にて完全自律稼働による運用を予定している。
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Research Products
(6 results)