2017 Fiscal Year Research-status Report
抗体医薬品開発を目指した流入下水由来抗体遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
16K18173
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲葉 愛美 東北大学, 工学研究科, 学術研究員 (60749448)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 下水 / 抗体遺伝子 / 抗体医薬品 |
Outline of Annual Research Achievements |
下水流入水中の抗体遺伝子の検出方法を確立することを目的に、B細胞のVDJ領域を対象とした網羅的な遺伝子情報の回収が可能な高感度PCR法のためのプライマーの設計を行った。 現在、遺伝子データベース上に報告されているヒトB細胞のVDJ領域を網羅的に収集し、プライマー設計のための解析を行った。また、網羅的な遺伝子情報を収集するために、対象領域の下流部はB細胞遺伝子の定常領域に設定した。VDJ領域における網羅性を高めるために、V領域の上流側に存在する比較的保存性の高い領域を対象に5つのプライマーを設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年4月の所属研究室の移転に伴い、施設利用、実験物取扱などの大学側の許可受諾や事前講習の受講が必要であり、研究施設の整備、許可申請受諾までに数か月の期間を要した。また、研究代表者の不測の病気により、実験全般の実行が困難となったため当該年度分の実験計画の遂行に遅れが出た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に設計したヒトB細胞のVDJ領域を対象としたプライマーを用い、高感度なPCR法の条件検討を行う。また、条件検討において、腸管免疫において最も多く存在するIgAを発現している樹立株化細胞を陽性検体として用い検討する。 本研究課題では、下水流入水中からのB細胞抗体遺伝子の検出方法の確立が最も重要であり、高感度検出方法の確立を中心に抗体遺伝子の網羅的な情報収集、解析を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度に予定していた実験が、研究室の移転、および研究代表者の不測の病気により潤滑に実施できなかったため、次年度に下記内容について行う。 当該年度に設計したヒトB細胞のVDJ領域を幅広く検出するプライマーの反応条件を樹立株化B細胞を用い検討する。検討した条件を用い、下水流入水から濃縮回収した核酸サンプルからのヒトB細胞VDJ領域の検出を試みる。検出されたサンプルの増幅産物に対し、次世代シーケンスによる抗体遺伝子の網羅的解析を行う。
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