2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K18721
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 徹志 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 助教 (10753717)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | UAV / SfM / 森林 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では無人航空機(UAV,ドローン)を利用した正確で安価な森林減少・劣化量の推定技術を開発し,その検出限界を明らかにすることを目指している,今年度はUAV由来データの1) 位置精度,2) 林分構造の推定精度を明らかにすることを目的とした。本研究の対象地は,大分県長期育成循環施業モデル団地である。本対象地で実施された,UAVによる写真撮影のデータと地上測定のデータを入手し解析に利用した。UAVによる写真撮影データは,対空標識を10個程度設置したうえで撮影したものである。入手した写真データからStructure from Motion 技術を利用して,林分の3次元データを作成した。地上測定データは,スギ・ヒノキ林それぞれ10ヵ所のプロットデータである。各データには,プロット内の樹木の直径と高さが記録されている。上記のデータを元にまずは位置精度の検証を行った。具体的には,作られた3次元データ内で示される対空標識の位置と実際の対空標識の座標の差を検証した。その結果,対空標識を10個程度置くことで,誤差を数m以内に抑えることが出来た。次に,UAV から求めた森林の3 次元に関する指標から林分構造の推定を試み,その精度を検証した。推定を目指した項目は,地上計測の結果から求めた平均樹高,Lorey's平均樹高,最大樹高,林分材積量の4項目である。その結果,樹高の推定精度は総じて高く,決定係数はどれも0.9程度だった。林分材積量の推定精度は樹高の推定精度より若干低いものの,決定係数で0.7程度であった。以上のことから,UAVから樹高や林分材積量といった林分構造を推定できると結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究結果,UAVから林分構造を推定できることが示唆された。ここまでの研究結果は,おおむね予定通りであるといえる。今年度以降,ミャンマーでの森林計測やUAV撮影等を実施する予定であるが,これらの計画・打ち合わせについて,極めて順調に進んいる。研究計画当初は,伐採後,数ヶ月経過した後に撮影する予定であったが,この数ヶ月の無駄を省くべく,森林伐採の直前と直後にUAV撮影が可能となるように調整を進めている。以上の点から,当初の計画どおりおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度,森林の計測を行ったプロットの内,数カ所で計測後に森林の伐採が行われている。そこで,今年度は伐採地点でUAVによる写真撮影を再度行うことで,森林の減少・劣化が検出出来るか検証する。また,今年度から来年度にかけて,ミャンマーに滞在し,ミャンマーでの合法伐採の前後でUAVによる撮影を繰り返すことで,熱帯林での森林減少・劣化量の推定が可能か検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初,UAVを2機購入予定だったが,1台のみの購入としたこと,現地調査データについて,当初報告者自身が測定予定で予算を計上していた所,無償で入手できたため,現地調査に関する旅費支出が抑えられた事などが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度,新たに1台のUAVを購入予定である,また,9月には国際学会にて発表予定であり,学会発表とは別に国際誌に数本の論文を投稿予定である。これらの旅費や英文校正費,論文掲載費に使用する予定である。
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