2018 Fiscal Year Research-status Report
生鮮食料品の家庭内消費の規定要因に関する実証的研究
Project/Area Number |
16K18764
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
八木 浩平 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (50769916)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 栄養素摂取 / 食の外部化 / 構造方程式モデリング / 内食 / 中食 / 外食 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、首都圏在住の男性を対象に、食事形態(内食・中食・外食頻度)が食品群・栄養素摂取へ及ぼす影響を構造方程式モデリングで検証した。中食頻度が多いほど食塩相当量や脂質エネルギー比が多い点や、内食頻度が多いほど野菜摂取量が多く食塩相当量が少ない点など、消費者の食事形態の選択に当たり有意義なデータを提供できた。なお、本研究については、『フードシステム研究』の2019年6月号での掲載が決定している。 また、首都圏在住の二人以上世帯の女性を対象に、中食を主食・おかず・麺類の3パターンに分類し、各消費頻度が食品群・栄養素摂取へ及ぼす影響を構造方程式モデリングで検証した。具体的には、内食頻度が高いほど野菜摂取量が高く、食塩相当量や炭水化物エネルギー比が高い点や、中食(主食)頻度が高いほど炭水化物エネルギー比が高い点、外食頻度や中食(おかず)頻度が高いほど炭水化物エネルギー比が小さい点など、分類した中食ごとの特徴を検証できた。特に、中食(主食)と中食(おかず)は異なる特徴を有しており、中食を一括りに分析するのでなく、分類して検証することの意義を確認できた。なお、本研究については2019年度日本農業経済学会で報告しており、今後、『農林水産政策研究』へ投稿する予定である。 この他、生鮮野菜とカット野菜消費の規定要因について、健康志向等の食の志向や、年齢や所得等のデモグラフィック属性に着目して分析した結果を、カナダのバンクーバーで開催されたInternational Conference of Agricultural Economists 2018で報告した。 また、日本食消費の規定要因に関する研究に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、食事形態(内食・中食・外食頻度)の規定要因を検証すると共に、そうした食事形態が食品群・栄養素摂取へ及ぼす影響を検証することを目的としている。 食事形態の規定要因については、単身世帯を対象に分析した結果が『フードシステム研究』の報告論文として掲載された。食事形態が食品群・栄養素摂取へ及ぼす影響については、『フードシステム学会』の本論文として受理された他、中食を主食・おかず・麺類の3つに分類して推計した結果を、2019年度日本農業経済学会大会で報告した。 この他、健康志向等の食の志向や、所得や年齢等のデモグラフィック属性が野菜の購入頻度へ及ぼす影響をInternational Conference of Agricultural Economists 2018で報告した。また、日本食消費の規定要因についても、分析を進めている。 食事形態が栄養素摂取へ及ぼす影響の研究は学会誌でまだ受理されていないものの、当初計画していた内容の分析は完了していることから、(2)おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していた課題の分析は完了しているものの、『フードシステム研究』への掲載が今年度になって受理されたため、掲載料等の費用が発生した。また、2019年度日本農業経済学会大会で報告した、中食を主食・おかず・麺類の3つに分類して推計した結果を、より精緻な分析となるよう修正し、『農林水産政策研究』へ投稿する予定である。 この他、日本食消費の規定要因について分析を進め、European Association of Agricultural Economists congress 2020での報告を目指している。
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Causes of Carryover |
当初予定していた研究課題の分析は完了したものの、投稿した論文が今年度になって受理される等、次年度使用額が生じた。 今年は、関連する学会への参加費・旅費や、論文の掲載料、European Association of Agricultural Economists Congress 2020へのエントリー費に活用する予定である。
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