2017 Fiscal Year Research-status Report
コメットアッセイ法によるDNA損傷抑制作用を有する天然資源の探索研究
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16K18903
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
栗本 慎一郎 昭和薬科大学, 薬学部, 特任助教 (70735018)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コメットアッセイ / 天然資源 / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
平均寿命の延伸に伴い、生活習慣病の罹患者数が増加している。DNA損傷の蓄積は、がんなどの生活習慣病の発症に関わっており、DNA損傷を抑制する物質は生活習慣病の予防に有効であると考えられる。このDNA損傷と生活習慣病の関係に着目し、DNA損傷の優れた検出方法の1つであるコメットアッセイ法を用いて、DNA損傷抑制作用を有する天然資源ならびに活性成分を探索し、生活習慣病予防に有効なシーズを供給することを目的として研究を行なっている。 平成29年度は平成28年度に引き続き天然資源(植物、海洋生物など)の採取を行い、採取した天然資源の抽出エキスの調製を行なった。調製した抽出エキスについて、UV照射によって生じるDNA損傷の抑制作用を指標として活性を示す天然資源のスクリーニングを進めている。 また、平成28年度に行なったスクリーニングにおいてUVに対するDNA損傷抑制作用を示したCharysanthemum morifolium(菊)の抽出エキスについて、in vitro小核試験を用いてUVに対するDNA損傷抑制作用を評価したところ、C. molifolium抽出エキスはUV照射により生じる小核の発生を有意に抑制することが明らかになった。このことからC. molifoliumは染色体異常の誘発を抑制する作用があることが示唆された。 さらに前年度に行なったスクリーニングにおいて活性を示したTeucrium chamaedrys(ウォールジャーマンダー)については、酢酸エチル可溶画分の成分検索を行い、1個の新規化合物を単離、構造決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
天然資源抽出エキスのスクリーニングと活性成分の単離・構造決定に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに顕著な活性を示し、かつ収量の多い化合物が得られていないことから、平成29年度に新たに調製した天然資源の抽出エキスについてスクリーニングを継続して行い、活性を示した抽出エキスについて活性成分の探索・同定を順次行う。また抽出エキスが有意な活性を示す天然資源のうち食経験のあるものについては、分配後の画分やフラクションの段階で種々の活性試験を行い、作用機序を検討することで、機能性素材としての有用性を評価する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が所属する研究室で行われている他の研究テーマと機器・消耗品を共同で使用したことにより使用額に差が生じた。 次年度、天然資源からの化合物の分離や生物活性試験の実施に必要な消耗品費、成果報告のための旅費などに充当する。
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Research Products
(2 results)