2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms and roles of homeostatic maintenance of axonal mitochondria
Project/Area Number |
16K18977
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大野 伸彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10432155)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 有髄軸索 / 小胞体 / 脱髄 / ライブイメージング / オルガネラ相互作用 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット脊髄神経節培養のライブイメージングと光変換性のミトコンドリア標的蛍光蛋白を用いて、静止ミトコンドリア内の可溶性分子のターンオーバーを観察した。その結果、軸索ミトコンドリアの多くを占める静止ミトコンドリアのターンオーバーは、軸索のミトコンドリア輸送と相関していた。また、ミトコンドリア輸送関連分子の発現やミトコンドリア生合成に関わるシグナルによるミトコンドリア輸送の変化が、ターンオーバーに影響することが示された。一方で、長期の培養下ではミトコンドリア輸送とターンオーバーの減少が認められ、これらは有髄軸索の傍絞輪部で顕著であった。実際、マウス尾神経の有髄軸索の3次元超微形態解析では、加齢に伴って異常な形態のミトコンドリアが傍絞輪部で顕著に増加していた。 また、慢性進行性脱髄モデルで、有髄および脱髄軸索におけるミトコンドリアと小胞体の3次元超微形態解析を行った。その結果、慢性脱髄下では軸索のミトコンドリアが占める体積率と、個々のミトコンドリアの体積の大きな増加がみられた。この肥大化したミトコンドリアではミトコンドリアと小胞体の接触部(MAM)の密度の増加が認められ、またMAMに関連すると報告されているMfn2の発現増加を伴っていた。一方、変性した脱髄軸索においてはミトコンドリアの腫脹と同時に顕著な断片化がみられるが、MAMの密度に大きな変化は見られなかった。本脱髄モデルの結果から、軸索変性とMAMの変化は独立して制御されうること、また個々のMAMの形態的特徴とミトコンドリアの分裂融合との相関関係も明らかになった。以上の結果を原著論文として発表した。
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