2016 Fiscal Year Research-status Report
生体防御コレクチンCL-K1の3MC症候群の病態への関与とその分子機構の解明
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16K19045
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松田 泰幸 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10532252)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コレクチン / 3MC症候群 / 発生 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
コレクチンCL-K1は、これまでに報告されている従来のコレクチンと同様、自然免疫機能を有することが明らかにされている。しかし、近年、ホモ接合体マッピング法を用いた常染色体遺伝子病のゲノム解析の結果から、CL-K1の遺伝子欠損と3MC症候群の病態との間に関連性が見い出されており、CL-K1が自然免疫機能だけでなく、個体発生および成長発育に関与している可能性が示唆されている。3MC症候群の治療法確立の可能性を模索するため、これまで自然免疫分子として捉えられてきたCL-K1の新規機能(個体発生および成長発育)に関する知見を得ることが本研究の目的である。 申請者は、コレクチンCL-K1の3MC症候群の病態への関与を明らかにするため、CL-K1遺伝子ノックアウトマウス(CL-K1 KOマウス)の表現型解析を中心的に行った。3MC症候群では骨形成に異常が認められているため、平成28年度は、解析用にCL-K1 KOマウスを増やすことを行い、小動物用のX線断層撮影装置を用いてCL-K1 KOマウスと野生型マウスの骨の3次元画像解析を行った。その結果、CL-K1 KOマウスは、野生型マウスでは認められないような、骨形成の異常を示すデータが得られた。また、3MC症候群の病態を分子レベルで理解するため、CL-K1と相互作用する分子の探索に関して検討を進めた。平成28年度は、相互作用分子の探索に必要な精製CL-K1画分を得るため、ヒト血漿からCL-K1を精製する方法を模索した。結果として、当研究室で作製した抗CL-K1抗体を架橋させた抗体カラムを作製することによって、血漿からCL-K1を精製することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていたCL-K1 KOマウスの表現型解析において、骨格異常を示すデータを得ることが出来た。また、ヒト血漿中のCL-K1の精製法を確立することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
骨形成の異常がCL-K1 KOマウスにおいて認められたが、3MC症候群では他にも様々な形態形成異常が認められるため、これらの異常とCL-K1欠損との関連性の有無を明らかにする。また、CL-K1と相互作用する分子の探索を行うことで、3MC症候群発症に関連する因子の全貌解明を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた計画通りに研究を進めたが、CL-K1と相互作用する分子の探索に関して、CL-K1を精製する方法の確立に想定していたよりも時間を要してしまった。そのため、次年度繰越金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費として使用させていただきます。
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Research Products
(4 results)