2017 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎症における尿中ポドサイトmRNAの早期診断マーカーとしての有用性の検討
Project/Area Number |
16K19198
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
福田 顕弘 大分大学, 医学部, 助教 (30628889)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 尿中ポドサイトmRNA / 糖尿病性腎症 / 微量アルブミン尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、様々な糸球体疾患動物モデルや臨床症例の結果の解析から、糸球体疾患では尿中に糸球体上皮細胞(ポドサイト)が多く検出され、ポドサイト特異的mRNAの尿沈渣中排泄量が糸球体疾患のバイオマーカーとして有用であることを示してきた。近年、糖尿病性腎症では比較的早期からポドサイト障害が認められることが報告され、尿中ポドサイトmRNA排泄量が糖尿病性腎症においても有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆される。 現在、糖尿病性腎症の早期診断法として日常診療で用いられている微量アルブミン尿の測定は、結果が陰性であっても糸球体障害が進行している症例が存在することが知られており、微量アルブミン尿より精度の高い早期診断法の開発が求められている。 本研究では、糖尿病性腎症モデルラット及び、病期分類ごとの糖尿病臨床症例を用いて、尿中ポドサイトmRNA排泄量が微量アルブミン尿より精度の高い早期診断マーカーとなりうるかどうか、また病勢を反映するマーカーとして有用であるかどうかを検証することを目的としている。 現在までに、糖尿病性腎症モデルラットでは微量アルブミン尿よりも早期に尿中ポドサイトmRNA排泄量が増加し始めることを見出した。さらに臨床症例でも正常アルブミン尿群において対象コントロール群と比較して有意な尿中ポドサイトmRNA排泄量の増加を認めた。以上の結果より、尿中ポドサイトmRNA排泄量は糖尿病性腎症の早期診断マーカーとして有用である可能性が示唆された。 さらに、糖尿病性腎症ラットモデルではカロリー制限により組織学的なポドサイト障害及び尿中ポドサイトmRNA排泄量の減少を認め、同マーカーが病勢を反映する可能性も示唆され、同内容について現在論文投稿準備中である。現在は臨床症例の2年後のfollow upの解析を行っており、臨床症例においても同マーカーが病勢や活動性の指標となるか検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、糖尿病性腎症モデルラットでは微量アルブミン尿よりも早期に尿中ポドサイトmRNA排泄量が増加し始めることを見出し、さらに臨床症例でも正常アルブミン尿群において対象コントロール群と比較して有意な尿中ポドサイトmRNA排泄量の増加を認めた。以上の結果より、尿中ポドサイトmRNA排泄量は糖尿病性腎症の早期診断マーカーとして有用である可能性が示唆される。また、ラットモデルにおいてはカロリー制限により組織学的なポドサイト障害及び尿中ポドサイトmRNA排泄量の減少を認め、同マーカーが病勢を反映する可能性も示唆される。同内容について現在論文投稿準備中であり、概ね予定通りに研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究により、尿中ポドサイトmRNA排泄量は糖尿病性腎症の早期診断マーカーとして有用であり、また病勢や活動性をも反映する可能性が示唆され論文投稿準備中である。 現在は、糖尿病臨床症例の2年後のfollow upの解析を行っており、臨床症例においても同マーカーが病勢や活動性の指標となるか検証中である。
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Research Products
(2 results)