2016 Fiscal Year Research-status Report
要介護認定情報登録システムの構築を通した福島県での要介護認定率の急増要因の探索
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16K19274
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 雅人 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (60707199)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 要介護 / 罹患率 / 福島県「県民健康調査」 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、福島県内の要介護認定の情報を収集し、1)要介護認定情報データベースを構築すること、2)構築したデータベースを既存の健診などのデータと突合し、被災地域の中でもなぜ福島県の沿岸部で震災後の要介護認定率が急増しているのかその要因を個人レベルから明らかにすることを目的としている。 二年計画の初年度は、要介護認定情報のデータベースの構築を進めた。要介護認定は各自治体の介護認定審査会で判定を行っている。そのため、要介護認定の情報は自治体が保有しており、本年度はデータ提供について各方面と福島県立医科大学医学部疫学講座との間で協定を結ぶなど調整を行った。その結果、市町村からの委託という形でデータ収集が可能となった。また、データについては要介護認定の情報だけでなく健診データも併せて提供頂けることになった。当初は提供された要介護認定の情報に、福島県「県民健康調査」のデータを突合する方法を今年度検討する予定であった。しかしながら、あらかじめ健診データを含んだ状態でデータ提供を受けられることになったため、既存のデータとの突合作業を省略することが可能となった。データは福島県の全59市町村から提供頂くことを視野に入れつつ、少なくとも現時点で10市町村からデータ提供を受ける予定である。 以上より、初年度は次年度に福島県における震災後の要介護認定率の急増要因を個人レベルから明らかにするための基盤を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関を異動し、自治体など各方面との調整に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、東日本大震災後に福島県の要介護認定率が急増した要因を個人レベルから明らかにすることを目的とする。 上記の理由により当初の計画よりは少し遅れているものの、市町村の委託という形で要介護認定情報と健診データが揃ったデータセットを4月より順次頂けることになっている。これによりデータの突合などデータセットを整備する手間が大幅に軽減されるため、現在の遅れは十分にカバー可能である。 本年度は市町村から提供を受けるデータセットを用いて解析を進めていく。肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症の有無別に震災前および震災後の要介護発症リスクをそれぞれCox比例ハザードモデルより交絡因子を調整して算出する。また、算出したハザード比を用いてそれぞれの人口寄与危険割合を推定する。これにより、福島県において要介護認定率が震災前後に急増した要因が明らかとなる。
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Causes of Carryover |
本年度データを収集し、既存のデータと突合してデータベースを作成する予定だったが、先述の理由によりデータの収集が完了しなかった。そのため、データ入力やクリーニングのための人件費が発生しなかった。また、このデータベースを格納するためのPCとネットワークの構築費用を計上していたが、上述の理由によりこれらの費用は発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の成果によりデータの突合作業は必要なくなったが、その他の上述の作業は次年度発生するため、繰り越した分をそのまま次年度行う作業に使用する。また、所属機関を異動したため、研究実施場所への旅費に一部充てる。
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Research Products
(2 results)