2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on alteration and durability of refractory ceramic fiber in lung
Project/Area Number |
16K19281
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
本郷 照久 埼玉工業大学, 工学部, 准教授 (50434303)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リフラクトリーセラミックファイバー / 溶解特性 / 肺内耐久性 / 繊維状物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
繊維状物質の発がん性には、3つの因子(耐久性、サイズ、量)が関与すると考えられている。本研究では、繊維状物質であるリフラクトリーセラミックファイバー(RCF)の“耐久性”、つまり肺内環境下での溶解による変質や耐久性を明らかにすることで、その毒性解明に必要な基礎的知見を得ることを目的とした。 本研究期間(3年間)により得られた成果は以下の通りである。 RCFには多くの種類があり、主成分であるシリカとアルミナの比、繊維径および繊維長は様々なものが存在する。本研究では、入手できたRCFの中で最も平均的な特徴を持つ、アルミナ47%・シリカ53%の組成を有し、平均繊維径が2.5μmのものを使用した。 予備試験として、各pH値の水溶液下における、RCFの変質や耐久性をバッチ式の溶解実験により調べた。その結果、pHが3.0を下回ったとき、または、10.6を上回ったときに溶解速度が急激に増加し、水溶液中へのSiとAlの溶出率が高いことを確認した。また、SiとAlの溶出率を28日間追跡したところ、それらは溶出し続けていることが分かった。 次に、作製したフロー実験システムと疑似肺胞液(pH 7.4および4.5)を用いて、RCFの変質や耐久性を調べた。フロー実験システムでは、孔径0.45μmのフィルターでRCF試料を保持し、疑似肺胞液は流速20mL/minで流した。試験は最大で12週間行い、この間いずれのpHにおいてもSiとAlは継続して溶出していることが確認された。また、速度論的解析により、本研究に用いたRCFにおいては、数十年に渡って肺内に滞留することはないと見積もられた。
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