2016 Fiscal Year Research-status Report
肺動脈性肺高血圧患者の右心不全を予防することで予後を改善させる新しい治療法の開発
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16K19409
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大野 誠 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (50650321)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺動脈性肺高血圧 / リアノジン受容体 / カルモジュリン |
Outline of Annual Research Achievements |
PAHモデルマウスの作成:文献的考察に加えて試行錯誤の結果、MCTを20日毎にWTマウスに腹腔内投与し安定したPAHモデルマウスの作成が可能となった。このマウスでは肺動脈周囲の炎症に加えて右室肥大を認めた。実験では心体重比は有意に増加し、Millarカテーテルにて測定した右室圧は有意に高値であった。 PAH (WT) マウスのCaMの動態、肥大シグナルの検討:PAHマウスおよびShamマウスのLV, RVから心筋細胞を単離し、①固定してanti-CaM, anti-GRK5, anti-HDAC4,5, anti-p-HDAC4,5の抗体にて免疫染色を行う。またShamマウスにおいてはET-1による刺激後、経時的に固定し同様の免疫染色を行う。②蛍光ラベルしたrecombinant CaM(F-CaM)を導入し、RyRに対するCaMの親和性を計測する。③Ca2+ spark, SR Ca2+ content, field stimulation時のspontaneous Ca2+ transientを計測した。 PAH(WT)マウスへのCaリーク抑制薬による介入:PAHマウスおよびShamマウスにCaリーク抑制薬ダントロレンを経口投与し、①Millarカテーテルを用いて右室圧を測定、心エコーでの右室径、右室機能計測、組織学的検索を行う。さらに心筋細胞を単離し、②固定してanti-CaM, anti-GRK5, anti-HDAC4,5, anti-p-HDAC4,5の抗体にて免疫染色を行った。またShamマウスにおいてはET-1による刺激後、経時的に固定し同様の免疫染色を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.マウスにおける肺高血圧モデルは作成が困難とされているが、安定してモデルマウスが作成できている。 2.ダントロレン投与により右室肥大の抑制が確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
PAH(WT)マウスへのCaM-GRK5連関への介入:Shamマウス、PAH(WT)マウスにおいて単離初代培養心筋細胞においてGRK5のGeneSilencerを用い、shRNAのレンチウイルスによるtransfectionにてGRK5をknock downした際のCaMのtranslocation、肥大シグナルを解析する。GRK5のknock downにてCaMのtranslocationが抑制されれば、申請者の作業仮説であるGRK5によるCaMの核内への移送が証明される。さらにGRK5のCaM結合部位と同じアミノ酸配列を有するペプチドをタンパク導入キットBioPORTERを用いて細胞内に導入することによりCaMのGRK5への結合を競合阻害すると、ET1による肥大シグナルが抑制できるか否かを検討する。さらにGRK5のkinase活性の特異的阻害薬Amlexanoxの肥大シグナルへの影響も検討することによりGRK5はCaMの運搬のみを行うのかGRK5自身がHDACのリン酸化に関与するのかを検討する。
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[Journal Article] Correction of impaired calmodulin binding to RyR2 as a novel therapy for lethal arrhythmia in the pressure-overloaded heart failure.2017
Author(s)
Kato T, Yamamoto T, Nakamura Y, Nanno T, Fukui G, Sufu Y, Hamada Y, Maeda T, Nishimura S, Ishiguchi H, Murakami W, Fukuda M, Xu X, Hino A, Ono M, Oda T, Okuda S, Kobayashi S, Koseki N, Kyushiki H, Yano M.
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Journal Title
Heart Rhythm
Volume: 14
Pages: 120-127
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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