2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of proliferative reaction in molecular pathogenesis of aortic dissection
Project/Area Number |
16K19434
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
林 真貴子 久留米大学, 医学部, 助教 (70725027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / mTOR / 増殖応答 / 炎症応答 / 平滑筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大動脈解離発症の分子病態解明を目的とする。 マウス解離モデルにラパマイシンを予防投与すると、解離発症が完全に抑制された。蛋白定量およびDNAマイクロアレイの結果、マウス大動脈組織では増殖応答が亢進しており、ラパマイシンはこれを特異的に抑制することを明らかになった。この結果から、mTORが増殖応答を介して解離促進的に働くことが示唆された。また、大動脈組織の蛍光免疫染色により特に平滑筋細胞、マクロファージ、内皮細胞において特に増殖応答が盛んに起こっている事を明らかにした。続いてウェスタンブロット法を用いた蛋白定量を行い、ラパマイシンを投与したマウス大動脈組織において分化型平滑筋細胞のマーカーであるSM2が増加することを明らかにした。この結果から、平滑筋細胞の形質転換もしくは分化型平滑筋細胞の増殖が解離抑制的に働く可能性が考えられる。 さらに研究者は臨床に即したラパマイシンの効果を検証するためラパマイシンの治療投与実験を行い、ラパマイシン投与により解離進展が有意に抑制されることを明らかにした。 以上の結果から、mTORが増殖応答を介して解離発症を促進し、また解離進展においても重要な役割を果たすことが明らかになった。この結果は大動脈解離の発症病態を増殖応答という全く新しい側面から明らかにする大変意義のある研究成果であり、またラパマイシンによる解離進展抑制効果はStanford B型の解離のように積極的治療適応とならない症例に対する新たな治療法開発につながる重要な発見であると言える。今後も引き続き分子メカニズム解明に向けて研究を継続する。
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[Presentation] mTOR regulates development and progression of aortic dissection2018
Author(s)
Makiko Hayashi, Hiroki Aoki, Satoko Ohno, Michihide Nishihara, Aya Furusho, Saki Hirakata, Norifumi Nishida, Sohei Ito, Yohei Hashimoto, Ryohei Majima, Yoshihiro Fukumoto
Organizer
第1回 日本循環器学会基礎研究フォーラム
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