2017 Fiscal Year Research-status Report
小児特発性ネフローゼ症候群の病態解明-質量分析法による病勢関連蛋白質の同定-
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16K19661
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
青柳 順 自治医科大学, 医学部, 助教 (80438639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児特発性ネフローゼ症候群 / 質量分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児慢性腎疾患において、特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群(ISSNS)は重要な位置を占めており、同疾患の病態解明に寄与する知見を得て、発症予防、及び、治療薬の開発を促進させることを目的として本研究を開始した。この目的のために、ISSNS関連因子を同定し、同時に、標的傷害組織部位を確認することを試みる。我々が先の研究でISSNSのdeep proteinとして同定した、ISSNSの病因候補一次質量ペプチドイオン3個に対し、ペプチドシークエンスタグ法を用い、病因候補蛋白質を同定する。候補一次質量ペプチドイオンは、これまでの申請者の研究結果から、すでに、等電点が判明しているため、① 初期精製には、イオン交換クロマトグラフィーを、② 中間精製には、イオン交換高速液体クロマトグラフィーを、また、質量も判明しているため、③ 最終精製には、ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを行い、目的ペプチドイオンを精製する。精製したペプチドイオンをタンデム質量解析し、分解して得られた生成イオンのピーク間の質量差を測定する。これに、トリプシン処理した時の、ペプチド末端のアミノ酸の種類とその質量の情報をあわせ、病因候補蛋白質を同定する。病因候補蛋白質をラットに投与し、蛋白尿の誘導を確認し、病理学的に病因候補蛋白質の傷害部位を確認する。
今年度は次の実験を行い、結果を得た。前年度に精製した3ペプチドイオンを質量解析し、分解して得られた生成イオンの情報を基にマスコット解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに、順調に、進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得たペプチドイオンのデータに対し、マスコットサーチを行い、病因候補蛋白質を同定する。つづいて、同蛋白質をネフローゼ患児の血清中に確認し、病勢との関連を調べる。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度は、前年度に精製したペプチドイオン情報を得るに留まり、病因候補蛋白質の同定までに至らなかったため。
(使用計画) 今年度に得られたペプチドイオンのデータに対し、マスコットサーチを行い、得られた情報を基に、病因候補蛋白質を同定する。
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