2016 Fiscal Year Research-status Report
表皮角化細胞の分化およびバリア機能因子としてのsuprabasin
Project/Area Number |
16K19715
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
青島 正浩 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40464127)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | スプラバシン / フィラグリン / 三次元培養皮膚 / レンチウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
suprabasin(SBSN)をshRNAを用いてノックダウンした三次元培養皮膚を作成し、ケラチノサイトの分化についてコントロールとの比較検討を行った。まず、最も適した三次元培養皮膚が形成される培養条件を明らかにするために予備実験を行った。結果、最適なレンチウイルスの種類や培養条件が明らかとなった。この条件下で三次元培養皮膚を作成したところ、SBSNをノックダウンしたshSBSNでは角層、表皮の菲薄化がみられ、免疫染色、ウェスタンブロット法でもSBSNの発現低下が確認された。次にRT-PCRによる解析を行った。相対的mRNA発現量は、SBSNは大きく低下していた。また、involucrinはほぼ変化がなかったのに対し、filaggrinは大きく低下した。その他、filaggrin-2、loricrin、desmoglein-1、desmocollin-1、corneodesmosin、bleomycin hydrolaseの発現は有意に低下した。この傾向は単層培養条件下(三次元化する前)のケラチノサイトでもみられた。以上より、SBSNは正常角化に必要な蛋白であり、その発現を抑制することでfilaggrin等の角化関連蛋白の発現が抑制されることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験の結果、最適なレンチウイルスの種類や三次元培養皮膚の培養条件が明らかとすることができた。この条件下で作成したsuprabasinノックダウン三次元培養皮膚を利用し、各種角化関連蛋白の発現を評価することができ、大きく研究を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
mRNAレベルだけでなく、ウェスタンブロット法を用いて蛋白レベルでの各種角化関連蛋白の発現を明らかとする。また、Th1やTh2サイトカインを三次元培養皮膚に添加し、suprabasinの発現の変化を評価する。さらに、suprabasin KOマウスを用いて、皮膚でのfilaggrin、involucrin、loricurin、E-cadherin、claudin-1等の発現が野生型マウスとどのように異なるかを調べる。さらにsuprabasin KOマウスで角層機能試験や皮膚色素浸透性試験を行い、suprabasinのバリア機能への影響を推論する。バリア機能を反映する2つの評価法を、suprabasin KOマウスと正常マウス両者で比較検討する。
|
Causes of Carryover |
人件費、謝金の支出が想定以下であった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ほぼ予定通りの支出を計画している。
|